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女のけもの道

2014/10/15

第6回 海外レース参戦への道

読者の皆さま、こんにちは!トレラン王国エンジェルズです。
気付けばもう10月ですね。食欲の秋、読書の秋、もちろんトレランの秋!を満喫されていますか? さて、第6回のお題は「海外レース参戦への道」です。エンジェルズ6人それぞれが体験した、海外レースに参加するまでの情報収集やエントリー方法、苦労話などをお伝えします。来年こそは海外デビューと考えている方にも、いつかは海外レースを目標としている方にもきっと参考になると思いますよ!!(mihoko)


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【海外レースデビュー】
私の海外レースデビューは『CCC』(ヨーロッパ・モンブラン山群で毎年8月末開催されるUTMBシリーズのカテゴリーのひとつ)。

きっかけは2009年の11月末に『激走モンブラン』(NHKスペシャル番組)を見て、あの景色を見たい! 早くいかないとはやり過ぎていけなくなってしまう! と焦って(笑) 参加した前の年にトレランを始めたので、半ば勢いでの参加。それまでに出たレースは『ハセツネ30K』と『ハセツネ』、『神流マウンテンラン&ウォーク』のみ。CCCもポイントが必要なレースでしたが、ハセツネでポイントを獲得してたことと、すでに参加した方のお話を聞いたらさらに行きたくなって即エントリーしました。

【さて準備!】
エントリーページは英語があったのでなんとか。その年も抽選があったのかどうか不明ですが、年明けに参加できることが決定して、まず、参加費をネットでクレジットカード払い。その後に必要なことはポイント獲得したレースの証明。これは日本在住のフランス人の方がまとめて行ってくれたので何もせずにクリアしましたが、対象大会のホームページに日本語の記録しかない大会は注意が必要みたいです。

あと必要になったのは健康証明書。これは普段病院に通っていなくて主治医といわれるお医者さんがいないと、高いお金を払って検査を受けないと書いてくれない場合もあるようです。私は近所のお医者さんが気軽にサインをしてくれたけど、会社の産業医さんがサインしてくれた人もいました。

レースの開催は8月末。夏休みとして休みやすくもあるけど、その当時の私のお仕事は月末・月初が忙しい業務。帰国が8月31日になってしまう日程でちょっとお休みしづらかったので、年明けから打診しておきました。レース前にゆっくり時間を取って8日間の日程でした。

シャモニーまでの旅費は安いエアを早くから探して、キャンセルは出来ないけどお安いものを発見! 買う時に勇気が必要だったけど、これを買ったら絶対に行くんだって気持ちは高まってきました。ホテルは地図を見ながらネットで予約。フランス語は全く分からないので英語でなんとかやり取り。
初心者だったこともあり、必要なギアも用意しなくてはなりません。経験者から高度計は絶対にあった方が良いと言われてGARMINを購入。ストックやハイスペックのレイン上下などの購入で軽く10万円超え...。

後は練習あるのみ。標高の高い山なんて数えるくらいしか登ったことがなかったので、比較的行きやすい富士山に毎週のように繰り出してお鉢を回ってみたり。夜間走行の経験も少なかったので、今思えば無謀だったのだけど、とっても速くて強いお兄様たちに金曜夜から箱根や御殿場駅~富士登山、などに連れて行ってもらいました。暇さえあれば走っていたような。楽しみなようで不安だったのかな。そんなこんなで身体も疲れていて身体のメンテナンスにもよく通ってました。毎週末の山へ行く交通費もかなりの額になりました。出発前からかなりの出費! 旅費だけでなく行くまでの準備でも出費があることは覚悟しないと! ですね。

出費は数十万になったひと夏の思い出ですが、近い将来にまた行きたい、行かねば! と思わせてくれる素敵な場所でした。レース中に見た景色はそれはもう、「頑張ってきて良かった〜、生きてて良かった〜」と感動の連続、今でも心に残る素敵な思い出となっています。

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CCCのコースより

【お手軽海外レース】
気持ち的にも、お財布的にも、準備にも、もっとお手軽に海外のレースに出てみたいな〜と思ったら、12月にハワイで開催されるトレランレースを発見しました。『XTERRA(エクステラ)』というレースで正式名称は『エクステラ・トレイル・ワールド・チャンピオンシップ』という立派な名前なんですが、距離は21km、10km、5kmがあり、初心者でも十分参加できてしまいます。

ワイキキからスクールバスに乗って(笑)、クアロア・ランチというレース会場に行きます。クアロア・ランチは『ゴジラ』や『ジェラシックパーク』の撮影をした場所でもあり、大自然が溢れている場所です。レースコースはほとんど走れてしまうコースで、映画撮影に使われていた景色を見ながら走ったり、キレイな海がドカーンと見えたりします。レースはそこそこに滞在中には1月に開催されている100マイル(160km)レース、『ハート100(HURT100)』のコースの一部も気軽に走りに行きました。

ハワイのトレラン情報は私の知人でもあるA1さんのスポナビハワイ(http://www.sponavihawaii.com/tabid/1116/Default.aspx)を参考にして下さい。ちょっと長い距離は...、寒いのはちょっと...、気軽に海外トレランレースに出たい! という方にはオススメですよ〜。マッサージやお買い物、ビーチではしゃいで女子力アップもね(笑)
アメリカのレースが気になる方は、UltraSignupというサイトから情報が得られますのでチェックして下さいね。 http://ultrasignup.com

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XTERRA(エクステラ)より


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2012年9月『トルデジアン』に参戦しました

2011年10月だったかな?知人と近場の山を走りながら共通の知人の話をしていました。ヨーロッパで330Kmのレースがあり、それに知人が出場した話でした。初めて聞くそのレースは、今では人気レースの一つとなっている『トルデジアン』です。なんでも、ライフベースが6カ所あり、そこでシャワーを浴びることができ、ベッドで寝れるらしく、食べ物も抱負! さらに、行動中に必要な荷物以外は運んでくれるらしい。この内容を聞いた瞬間に、これはヨーロッパの山旅が出来る! ぜひ一度出場したい気持ちが強くなりました。でも、海外レース出場の経験は無く、しかもヨーロッパへは未踏の地、さらに長距離は110Kmが最高だったので不安だらけ・・・さてまだ参加は無理かな?

その後トルデジアンは周囲の知人の間でも話題となり、何人かがエントリーすることになりました。一緒に参加する知人がいればなんとかなる? と、勢いで私も2012年のレースにエントリーすることにしました。

海外、ロングレースに初出場のため本番までの準備は多岐に渡りました。身体面だけでなく、装備面では頭の先から脚の先まですべての準備が必要でした。そこで装備面の必需品は過去に出場された皆さんの話を参考に準備をしました。

まず、朝晩の寒暖差が激しいとのことで、寒がりな私はダウン、厚手のレインウエアは必須。次に脚に痛みがでなければ先に進むことは可能だと思い、ストック、シューズ選びに注目しました。シューズは普段履き慣れたトレランシューズ、ホールド感のある厚めのトレランシューズ、さらに足首が弱い私はミドルカットの軽めのトレッキングシューズの3足準備しました。

身体面は正直万全な状態ではなかったので、治療院に通いながらの練習となりました。レースは約1週間で330Kmなので単純計算で1日約50Km進むことができればOKなので、ジョグ程度のスピードで約50Kmを数回走りました。さらに、エントリーしてから気づいたのですが、累積標高を見てあれ? 今までのレースと比べて0が一つ多い? え!!単位が!万!かなり驚きました。これも単純計算で約1週間で富士山を8回登ることになり、富士登山競走に出場する予定もあったので、富士山かよいもしました。

スタートラインには心身ともに万全の状態で立ちたかったので、本番1ヶ月前ぐらいから、山へは行かず体力回復、免疫力アップ、精神面でもリフレッシュに重点を置きました。

さて、いよいよ本番です。仕事などで、睡眠不足だったり、現地でお腹の調子が悪くなったりしましたが、初海外レース、初ヨーロッパの山への高揚感に身体が包まれスタートすることができました。

天候もよく始めて目の当たりにするヨーロッパの山並み、広大さに感動しました。コースは6ステージに分けられていて、ステージごとに違う山の様子を楽しむことができました。トレイル自体はもちろん楽なコースばかりではなく、急斜面を登ったり、下ったりとかなりハードなルートでした。なので、とにかく脚に痛みが出ないようにストックに頼りながら進みました。

レース中前後した人と片言英語で出身は? バカンスはいつまで? など会話したり、夜は満点の星空に近くにいた女性選手と「beautiful」と叫んだり、途中の眼鏡が汚れて困っていたところ、山小屋の男性スタッフが自分の眼鏡ふきを貸してくれたり。人とのふれあいもあり、地元の方やスタッフの方々のホスピタリティや出場選手に救われ、ハードなコースも楽しいものとなりました。

また、人だけでなく動物にも出会うことができました。放牧されている牛に何度も遭遇したのですが、ルート上を何頭もの牛が向かってきた時にはさすがに怖かったです、一度山の上に逃げましたが一向に途絶えず、後ろから来た男性選手が普通に牛の群れの中を歩いていたので、私も勇気を出して男性の後ろに付かせてもらって進みました。前を行く男性は「no problem」と言って私を安心させてくれようとしました。でも間近で見る牛の顔が大きく、食べられてしまうのではと恐怖感は消えませんでした。(普段は人が牛を食べてしまいますが・・・)
さらに、牛事件は起こりました。
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事件の現場より

山の上からカウベルをけたたましく鳴らしながらこっちに向かって勢い良く下りてくる牛がいるのに気づき、いやな予感が的中! その牛は私の目の前で止まり、そして体を横にして完全にトレイルを塞ぎ、さらにドヤ顔で私を見ました! 私は「どいてー」と叫んだりストックを振ってみたけど、まったく動く様子がなく、仕方なくトレイルを外れて牛を避けました。日本では経験したことがない人と動物の共存感を得ました。

レースは最後の山が悪天候で行けなくなり、手前に特設ゴールが設置され残念ながら一周することはできませんでしたが、ゴール後は満足感で溢れました。そして周囲の多くの方々のおかげでこの巨大な旅を経験でき、無事に終えられたことに感謝しました。またいつか一周にチャレンジしたいと思います。

もしトルデジアンに出場される方がいましたら、空気が乾燥しているので必需品の中に、リップクリームと口を覆えるバフかマスクを準備することをお勧めします。それからコース上の牛の糞といたずら好きな牛には気をつけてください。


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【いつかはUTMB】
2009年、NHKで放送された『激走モンブラン』を見た多くのトレイルランナーがいつか『UTMB』(http://www.ultratrailmb.com/)へ! と夢を抱いたのではないでしょうか。
私もその内の一人でした。
あのアルプスの雄大な景色を眺めながら走りたい!

UTMBシリーズの中に『CCC』という96kmのレースもあることを知り、まずはこれに挑戦しようと、エントリーを決めました。費用は貯金から捻出することにしました。

当時の私はせいぜい長くて50km、制限時間も高低差もあまり厳しくないレースにしか出たことがありませんでした。そして、大抵のトレイルランニングのレースというのは、そういうものだと思っていました。ですから、距離が倍になっても、制限時間が4倍あれば、普通に完走できるだろうと思い込んでいました。運良く、レースに必要なポイントは持っていました。

エントリー方法は、12月中旬にネットにてプレエントリー(必要なポイントレースなどを申告し、デポジットをクレジットカードで支払い)、1月上旬に抽選結果が発表されるので、当選を確認し本エントリーでした。

▼エントリー方法はこちらで詳しく紹介されています。
http://dogsorcaravan.com/2012/12/19/how-to-enter-ultra-trail-du-mont-blanc-click-by-click-pt1/

練習は主に箱根へ。外輪山一周やトレイルウォーカーのコースに行きました。直前に高地に慣れておこうと富士登山1回。週一回筋トレのグループレッスンに通ってはいましたが、当時の練習量で、よくシャモニーに乗り込んだものだと今は思います。

シャモニーから見えるモンブラン、そして裾野の山々、全てが巨大過ぎて、圧迫感で心は潰されそうでした。そして、レースは荒天のため途中で中止に・・・。
完走扱いにはなったものの、中止になった80km地点でのわたしのタイムは制限時間ギリギリでした。あのまま、レースが続行していたら、もしかしたら完走できていなかったかもしれません。

雷、嵐、登っても登ってもたどりつかないコル(峠)、進んでも進んでも見えないエイド、硬いサーフェイス、経験したことのない寒い夜、しかも中止...。お金をかけて、ここまで来たけれど、当分、UTMBシリーズには出たいと思えない。正直、このレースはトラウマになりました。

いつかは『UTMB』へ。でも、それはもっともっと練習し、もっとレースや過酷な状況下での経験を積まない限り、到底なし得ない。そう強く感じました。

【UTMBよりTDG?!】
翌2011年、またしてもわたしは大きな勘違いをしました。
『Tor des Geants(トルデジアン)』(http://www.tordesgeants.it/en)というレースがあるらしい。距離は200マイルもあるが、6日半時間をかけられ、しかも途中ベッドで眠れるらしい。

報告会があるというので、早速予約。完走された方のお話しを聞くと、なんと全部歩いても完走できるらしい。参加者は中年、年配の方も多い。資格ポイントも必要ない。エントリー後、キャンセルしてもウェイティングリストがあるため、誰かが繰り上がる。そしてエントリーフィーが驚くほど安い。UTMBを目指すより楽なのではないか?

実際はもちろんそんな甘いものではありませんでした。

全部歩いても大丈夫とおっしゃった方は、かの『TJAR』(http://www.tjar.jp/)完走者。このときのわたしはTJAR自体を知りませんでした。知らないということは、ある意味幸せです(笑)

2012年2月ネットにてエントリー(この年は先着順)。エントリーページはイタリア語だったため、翻訳サイトで調べながら入力。少々時間はかかりましたが、無事エントリー完了。

早速会社に休みの申告をしました。「2週間の休みが欲しい」と伝えると、当然ですが、前例が無いと言われました。そこで、「ダメなら会社をやめます」と柔らかく伝えると、「では前例を作りましょう」と返事を頂けてしまったのです(笑)

参加が決まったものの、とにかく、全くの未知の世界。経験者にお話しを聞いても、そもそもの経験値も走力も異なるため、なんだかピンときませんでした。自分なりに準備をするしかありません。

大きく意識したことは長時間動ける身体作りでした。
そのためにまずは、ロングレースをロード、トレイルどちらも多くエントリーしました。練習はロードのロング走、トレイルのB2B、インターバルトレーニング、坂道トレーニングなど。CCCでの経験から、とにかく悪天候や多少の体調不良を理由に走りに行かないということを無くしたりもしました。

第1回『UTMF』100マイルを完走、夏の『野沢温泉65km』では年代別1位など、着々と実力は伸びてきている感覚がありました。夏はなるべく富士山へスピードハイク。低酸素ルームでのトレーニングも試してみました。

そして、とにかく身体の細いわたしがバテないためには、軽量化だと、靴、ウェアから、身につけるもの全てを軽量化することに決めました。

そして本番は...。
100kmでリタイヤ。
色々な面でダメでした。
軽量化は仇になりました。
硬いサーフェイスに軽い靴は身体にダメージが大きく出ました。
薄手のレインウェアも、走れていれば問題ありませんが、高い標高で歩いているだけでは、保温力が足りません。冷たい空気にあっという間に胃腸がやられ、補給も疎かになりました。さらにスピードはガタ落ちになり、睡眠時間すら確保出来なくなりました。

【2回目のTDGへ】
2013年2月のエントリーまで、私は気持ちをうまく切り替えることができず、エントリー自体怖くてやめようかとも考えました。それでも、この年は抽選だったこともあり、とりあえずエントリーをしました。

そして、当選。
会社は休みを快諾してくれました。今度は「完走してきなさい」と。

練習を見直しました。ロードのロング走よりも、とにかく高低差のある山へ。得意な登りをもっと強化するため、軽量化にとらわれずに、荷物を多く持って行動すること。

でも、わたしのメンタルは強くなりませんでした。
第2回UTMFもリタイアでした。リタイアが続くと、さらにメンタルは弱くなっていきました。

日帰りのトレランだけでなく、夏はテン泊や小屋泊でのアルプス縦走にとにかく行きました。胃腸の弱さを克服するため、どんな状況下でどんな対処をするべきかを模索しました。

それでもメンタルが強くならないまま、本番へ向けて出発。空港へのバスの中で泣き、スタート地点に立っただけで泣き、あの辛さがまた襲ってきたとき、自分はそれを跳ね除けられるのかと、怖くて怖くて仕方ありませんでした。

そんな恐怖の中スタートしたものの、なんと道中は本当に楽しかったのです!

やってきた練習や準備は、本当に活かされていると、何度も実感し、途中完走を確信しました。
しかし結果。100マイル地点で転んで尾てい骨骨折、さらに最後の関門の場所を勘違いしたことで時間調整を誤り、なんと300km地点でリタイア。

【3度目の正直へ】
帰国後は、怪我と完走できなかったショックが尾を引き、全くといっていいほど復活できそうにありませんでした。
もともと苦手な下りがさらに怖くなっていました。しばらくエントリーはやめるべきではないか...。

それでも、とにかく身体を復活させ、今度は得意分野だけでなく、苦手分野を克服する努力もしようと、パーソナルトレーニングを始めました。
トレーナーさん自身が山岳ガイドの資格も持ち、トレイルランもし、トレーニングだけでなくメンテナンスもできることが、本当に助けになりました。

とにかく今の筋力では来年のTDG完走には到底間に合わないと、加圧やTRXで下半身と体幹の強化を図りました。それだけでなく、ランニングフォームの見直し、ストックのつき方、岩場の下り方など、とにかく今さら誰にも聞けないようなことまで、こと細かく教えて頂きました。

辛い練習は1人ではできないと、OSJの『チーム100マイル』にも参加することにしました。このチームの合宿の座学で教わったことは、この後のわたしのメンタル面に大きな影響を与えてくれました。

2014年のエントリーは、プレエントリー後、国別に枠が決まり、その中の先着順という内容でした。(2014年からエントリーフォームは英語も加わり、以前よりわかりやすくなっています)

そして、また2014年も参加できることに。
会社も呆れながらも休みは快諾してくれました。

パーソナルトレーナーさんのおかげで、追い込み過ぎず、きちんと休養をとる大切さも体感できました。そして、完走ばかりに気を取られるのではなく、とにかくレースを楽しもうと、行動計画を立てました。

意識を変え、苦手分野が緩和されたことで、夏山縦走や富士登山も、去年よりさらに楽しくなり、練習しているという感覚はなくなりました。

そして本番、風邪を引き最悪な体調ではあったものの、前年とは全く違う気持ちでスタート地点に立ちました。怖くない。絶対大丈夫。

そして無事完走。

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あらためて感じたのですが、TDGは本当に楽しいレースですが、とてつもなく辛い面もたくさんあります。それを乗り越えるには、走力はもちろんなのですが、コミュニケーション能力や危機回避能力といった、さまざまな力を総合的に発揮していく必要がありました。

過去の失敗があってこその素晴らしい経験ではありましたが、本当ならこんなに失敗は重ねたくないものですね。失敗談ばかりでしたが、これから海外レースを目指す方に、少しでもお役に立てれば幸いです。

【レースデータ】

2010年 CCC
8/27(金)10:00スタート
The Ultra Trail du Mont-blancシリーズの内のひとつ。Courmayeur(イタリア) Champex(スイス) Chamonix(フランス)を巡る。この年は、総距離98km、高低差5600m+D、制限時間26時間。

2012年、2013年、2014年 TDG(Tor des Geants)
9月第2(or1)日曜10:00スタート
北イタリアのアオスタ渓谷を一周するレース。
総距離330km、高低差24000m+D、制限時間150時間。


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2011年8月に『UTMB』(Ultra-Trail du Mont-Blanc)に参加

フランス在住時に知り合った友人が2008年のUTMBに参加していて、応援をしていた私に「あなたも来年でるでしょ?」と言われた事がUTMBに参加しようと思ったきっかけ。
翌2009年にUTMBに参加しようと意気込んでいたのだが、どうやら参加資格のポイント(※1)が足りない...という事で、2009年はUTMBと同時期開催の『CCC』 (Courmayeur Champex Chamonix)に参加。CCCを無事完走してポイントゲットーー!!さあ、次こそはUTMBと思うが、コレまた運命のいたずら・・・抽選に外れる。

2002年から始まったこの大会も、年々参加希望者が増え、2009年からは参加希望者が定員を超えた場合、参加者選出方式が抽選となったのだった。抽選に外れた私は、定員割れしていたTDS® (Sur les Traces des Ducs de Savoie)に振替えて、2010年はTDSに参加した。当時は、抽選の落選者には翌年のエントリー優先権が与えられるという救済措置があり、ようやくUTMBのエントリー権を手に入れる事もできた。
3年越しのUTMB参戦だったが、レース時の自身のコンディションの悪さやアクシデントが重なり、残念ながらリタイアとなってしまった。

「さあ、リベンジだ!!」と言いたい所だけど、世界的に人気が高まっているこの大会は参加定員が割れる事はなく、毎年抽選。さらに抽選倍率も高まっているため、参加資格のポイントが引き上げられ、ハードルも高くなっている。レースに出場する機会が少ない私にとっては、かなり重大な問題。UTMB参戦はしばらくお休みとして、また機会が訪れた時にチャレンジしようかなぁぁと思っている。

それから、何回か海外レースに参加するようになって、外国の友達も増えた。来年は、友達が主催する『Grand Raid 6666』(※2)に参加してみようと思う。
南フランスはどんな所だろう、どうやって行くのかな?まずは、google mapで開催地を探して...、そして大会のHPからアクセス方法をチェックして...、最寄りの飛行場はMontpellier(モンペリエ)。ふむふむ。飛行機の検索サイトを利用して、いろいろと調べながら、旅行計画をシミュレーション。あとはレースのコースや詳細、ルールについて翻訳サイトを駆使しつつ、辞書を引きながらチェック。過去の大会の動画も見たりしてね。

初めて行く場所は分からない事もたくさんで緊張するけど、ワクワク、ドキドキしながら進む道は、やっぱり楽しいなと思う。もちろん、その過程も楽しいね。

※1 大会組織が認定するレース毎にポイントが設定されている。当時のUTMBの参加資格は2レースで4ポイントが必要。現在は、UTMBの参加資格として最大3レースで8ポイントが必要
※2 2015年6月20日・21日Hérault(南フランス ラングドック=ルシヨン地域圏 エロー県)で開催
・Grand Raid 6666 (距離110 km 、累積標高6 666 M)
・Saute Mouflon  (距離45 km、累積標高2 900 M)
http://www.6666occitane.fr/en/

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UTMBメイン会場シャモニー


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2009年 ケプラーチャレンジ (Kepler Challenge Mountain Run) 60km

2009年12月に、ニュージーランドの『ケプラーチャレンジ』(60km)に参加しました。
当時、映画『ロード・オブ・ザ・リング』にハマっていたので、ロケ地となっていたニュージーランドにいつか行ってみたい! と思っていました。そんな中、憧れの間瀬ちがやさんが、2007年、2008年と2年連続このレースで女子優勝!! 自分もいつか走ってみたい! とムクムクと興味がわいてきたのでした。

2009年のチャレンジ
この年、自分は初めて海外レースに参加しました。それはケプラーチャレンジではなく、8月末に開催された『CCC』。(ウルトラ・トレイル・ドゥ・モンブラン(UTMB)のカテゴリーの一つで、イタリア・クールマイヨールからフランス・シャモニーまでの約100km、累積標高約6000mのレース)。そして、12月にケプラーチャレンジ。1年に2回も海外レースに行くなんて、やり過ぎ? とちょっぴり思いましたが、ええ~い、行ってしまえ! と。結果、素晴らしい経験をして、素晴らしい出会いがあって、行って本当によかったです!! 休暇やお金・・・いろいろ気になりますが、やろうと思えば何とかなるのかも!

頼りになる「リアルニュージーランド」
CCCに関しては、エントリーから現地までの交通手段、宿泊などすべて自分で手配でしたので、手探り状態でした。ありがたいことに、過去に参加したことがある方と知り合えて、現地の情報を詳しく教えていただき、現地でも手助けしていただいたおかげで大変助かりました。
一方、ケプラーチャレンジの場合は、心強い味方がおりました。ニュージーランド旅行の専門店「リアルニュージーランド」さんです。(http://www.realnewzealand.net/
ケプラーチャレンジは、400名という出場枠のため、毎年webのクリック合戦は厳しさを増しているようです(2013年は6分11秒で即座に締め切り。2014年もウェイティング・リストで待っているランナーは230名以上!)。そんな中、リアルニュージーランドさんは毎年数名の枠を確保しています。現地では、レースやエントリーのサポートはもちろん、買い出しやレストラン、調整ランにぴったりのトレイル紹介まで、とっても頼りになりました。

素晴らしい絶景コース!
今年で27回目を迎えるケプラーチャレンジの舞台は、ニュージーランド南島の最南端フィヨルドランド国立公園内。クイーンズタウン空港をゲートとして、レース会場から5kmくらいのテ・アナウの町が拠点となります。
コースは一言でいうと"オイシイ"コース!何がオイシイかって、最高地点1400mくらいの標高なのに、そうとは思えない抜群のダイナミックな景色!!稜線から見渡せる山々や湖の眺めは素晴らしく、夏ですが途中に雪が残るエリアもあります。そして最もインパクトがあるのは、まるでジェットコースターのように駆け下りる下り! 面白いのは、この劇的なコースが前半部分の30kmに凝縮されていて、後半の30kmはほぼフラットなコースとなります(ちなみにコースの累積標高は約1350m)。

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ケプラー・コースマップ

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ヘリの撮影がテンションを高めます!
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一部、雪の積もったトレイルも!
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一気に駆け下りるジェットコースターな下り☆

Tips
・NZ入国のbiosecurity(生物検疫)に気をつけろ!
NZでは、絶滅危惧種の保護や害虫などの流入を防ぐため、空港では細心の注意が払われています。自分はVespaやジョミを没収されました(天然成分の含有量が引っ掛かったらしい?)。懇願して空港取り置きにしてもらいましたが(NZ$20の罰金)。
・必要携行品に気をつけろ!
レースの必要携行品はいくつかありますが、チェックは結構厳しいです。例えばロングパンツ(足首まで)はサーマルパンツということで、ウールなどの温かい素材でないと不可(私はCWXを却下されました)。帽子もサーマルハットということで、耳の隠れないキャップは不可でした。レース途中でも全員しっかりチェックされますので注意!

・リアルニュージーランド 2014年ケプラーチャレンジの案内ページ(今季の募集はすでに終了しております)
http://www.realnewzealand.net/events_races/trail/trail_report_003.html


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私の海外参戦レースはUTMBのみなので、UTMBの話をします。
鏑木さんが3位という偉業を成し遂げた2009年『UTMB』。鳥肌が立つくらい感動し世界にはこんなに過酷で美しいレースがあるのかと驚きました。海外レースに出るなんて、特別な人のする事だと思っていたのですが周囲の男子達は普通にエントリーの話をしていました。
え?!一般ランナーでも出ていいの?!
この時に私の中で、見る・応援するレースから出たいレースに変わりました。もちろん目指すはUTMB!
エントリーのポイントを獲得するために『信越五岳』と『日本山岳耐久レース』を頑張って完走。そしてさらに難しかったのはエントリーそのものでした。

今ではエントリー方法が色々なブログやHPで紹介されていますが、2010年の時にはその様な情報もまだまだ少なく。取り敢えずUTMBのHPを開いても...

松田utmb.png
これです。
・・・・・外国語もPCもさっぱりの私にはちんぷんかんぷんで

結局エントリーは英語とPCに強い友人にお願いしました。
深謝です。
そして、めでたくエントリーできた時に鏑木さんから頂いた言葉は
「○○さんはCCCじゃないの?!」と、
「人間が変わらないと完走できない」
でした。

神のお言葉通り、初のUTMBは『La Fouly』の関門に掛かって終了。
完走できたのは2012年・2013年の『UTMF』を経て2013年、2回目のUTMBでした。
UTMBのコースの山々は日本の山と違ってとにかく大きく偽ピークが沢山あり、下りは長く、厳しいコースですが、涙が出るくらい景色が美しく、人の温かさが心に沁みました。ポイントの他に抽選という関門もありますが、是非一度チャレンジしてみてください。

掛かった費用(ざっくりです。RATEによってもかなり変わります)
○エントリーフィー:¥23,000弱
○宿泊:B&Bで一泊¥6,500くらい(観光地のシャモニーには様々なランクのホテルがあります)
○エア:フィンエアでヘルシンキ経由でジュネーブへ¥120,000少々。
○高速バス:高速バスでジュネーブからシャモニーへ。乗合で一人¥4,500くらい

最後に一つ、完走のために一番大事なものは強いハートです。
どんなに辛くても絶対完走する、出来ると自分を信じる強いハートが一番大事だと思います。これを忘れずに!!

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UTMBゴール近くのカフェ「フローリア」へ本番前に試走に行った時


まとめ ――トレラン王国編集部
エンジェルズの奮闘記、お役にたてたでしょうか。近年はUTMBやトルデジアンなどの海外のビッグレースに日本から続々とトレイルランナーが参戦しています。海外のレースに興味はあるのだけれども一人でエントリーできるかしら? いったいどれだけお金がかかるのだろう? いろいろ不安は尽きません。環境が異なるためそれまでの経験以上のトレラン力や山力が必要ですが、もっと大切なのは実現に向けての行動力。海外レースでの体験も一生の思い出ですが、おそらく、参加して帰ってきた時の「やり遂げた感」は、今後あなたの将来の大きな自信につながることでしょう。

さて、次回のお題は「真冬のウォームアップ考」です。これから増々寒くなる季節。山へお出かけの際は寒さに負けないウエアリングと安全計画で。

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