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女のけもの道

2015/01/21

第9回 私のイチ押しランナー

『女のけもの道』愛読書のみなさま、あけましておめでとうございます。本年もエンジェルズをよろしくお願いいたします。
さて、年明け第一弾のお題は「私のイチ押しのトレイルランナー」です。昨年末はトレイルラン情報サイトである「dogsorcaravan.com」にて2014年日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーが発表されましたね。今回、女のけもの道では、自分の中のイチ押しランナーをご紹介します。憧れのアスリート? 共感できるお友達? それとも...? どんなトレイルランナーが登場するか、皆様どうぞお楽しみください。(Saiko)


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私のイチ押しトレイルランナー、もといウルトラトレイルランナーは、フランスのアントワーヌ・ギィョン(Antoine Guillon)選手です。

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センターの短髪の選手がギィョン(2014UTMFにて)

まずは、Antoine 選手の紹介を。。。
昨年から始まったUTWT(Ultra Trail World Tour)ではMEN'S RINKINGで4位と堂々のランクイン。来日経験もあり、UTMFでは2013年は7位、2014年には4位と好成績を収めています。現在はWAAに所属し、UTWTを中心に世界を駆け回るトップアスリート。
メトロノームの異名を持つ程、自分のリズムを崩さずきっちり予定したペース通りにレースを展開し、100マイル等ウルトラトレイルを得意としています。

Antoineと私の接点は2013年のUTMFで彼のサポートチームを担当した所から。それからは、私のヨーロッパでのレースに応援に来てくれたり、再び彼のレースのサポートをしたり、いまでも親交が続いています。

イチ押しの理由はいくつかあるけど、一番の理由は、惜しげもなく自分のイロハを教えてくれる人間性。トップアスリートとなると、企業秘密的なかんじで、レース前後の食事の事やレース中の補給の事なんか話さないものだと思っていた。だけど、ちょっと聞いてみたら、事細かにあれこれ教えてくれた。
他にもレースペースの計算をどんな風にやっているとかなどなど。
気取らず、飾らず、常に自然体。

レース後、レース展開がどうとか話すのかと思ったら、そんな話は全くせず。大好きな木の話とかコース途中で見かけた動物の話とか、レースをしていたというよりも普段走っているのと変わらない感じ?

あと、もうひとつ。

2013年のUTMFのゴール後、アスファルトにベターッとくっついている姿を見て、「大丈夫?どうしたの??」って聞いてみたら・・・「太陽の熱を貰ってる」とのコメント。
一瞬笑ってしまいましたが、お茶目な所も自然体のようです。

最後は宣伝になりますが・・・
Antoine選手が主催する大会Grand Raid 6666(グランレイド6666 ※1下記参照)、エントリーが始まりました。是非、日本のランナーにも走ってもらいたいと言っています。

まずは、リンク先から大会HPを覗いてみて下さ〜〜い。
※1
2015年6月20日・21日
Hérault(南フランス ラングドック=ルシヨン地域圏 エロー県)で開催
・Grand Raid 6666 (距離110 km 、累積標高6,666M、制限時間31時間30分)
・Saute Mouflon  (距離45 km、累積標高2,900 M、制限時間12時間)
http://www.6666occitane.fr/en/

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2014年 TOR DES GEANTSのレース中、エイドで
大好きなチョコレートムースを食べて満面の笑み


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彼女と会ったのは、2012年の第1回UTMF(ウルトラトレイル・マウント・フジ)のことでした。
フェルナンダ・マシェール(Fernanda Maciel) ― 2014年のUTMFで、女子2位(初の100マイルレースで!)となったトップアスリートです。

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第1回UTMFのとき、ご縁があって海外から参加する選手のサポートをする機会に恵まれました(ろくに英語も喋れないのに・・汗)。当初は一般選手のサポートのみの予定でしたが、大会直前になって招待選手のサポートもお手伝いすることに。(とは言っても、招待選手の方々はご家族や専属サポーターがいらっしゃるので、レース中にお手伝いすることは特にありませんでしたが。)

海外のトップアスリートを間近に見るチャンス!・・・なのですが、あまりその辺りに詳しくなかったワタクシ。かろうじてUTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)の映像で見たことのあるフランスのジュリアン選手がわかったぐらいでした(彼はお箸の使い方が上手でビックリしました!)。

レース前、選手の皆さんの間には若干の緊張感があったように思います。そんな中、陽気な笑い声で登場したのが彼女、フェルナンダです。なんとブラジルから来たというではありませんか!長いブロンドの髪。パッチリお目々は力強くもあり、優しげでもあり。脚にはワイルドなタトゥー。明るく元気が溢れる笑顔。トップアスリートなのに人懐っこくて親しみやすい雰囲気。あまり言葉を交わすことはなかったものの、ギュギュギュイーンと彼女に魅かれてしまいました。

そんな彼女が、STY女子1位で第8エイド(西富士中学校)に現れたときは大興奮!カッコイイ~!!そのままゴールまで駆け抜け、見事優勝に輝きました!!!

レースが終わって夜中に宿に戻ってきた彼女。11時間も走り続けた身体は相当疲れていたでしょうに、礼儀正しくにこやかな笑顔です。また他の女性選手と相部屋(若干、寿司詰め状態!)となっても、イヤな顔ひとつせず、さっさと眠っておりました(ワイルド!)。眠ったかと思えば、早朝にはもう出発の準備をしています。表彰式に出ることもなく、「明日、仕事があるの!」と爽やかに日本を発っていく姿を見て、彼女の強さを感じ、一挙にファンになってしまいました。

当時は彼女のことを何も知りませんでしたが、弁護士であり、スポーツ栄養士でもあり、母国でお店も経営している多彩な女性であることを知り、ますます憧れてしまいます。自然の中に身を委ねることをこよなく愛する彼女の信条は"Move Positive"。これからも、前を向いて進む彼女の活躍を応援したいと思います!!

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2014UTMF女子表彰式(右から2人目がフェルナンダ)

・Fernanda Maciel  公式サイト
http://www.fernandamaciel.es/

・Fernanda Maciel  Facebook
https://www.facebook.com/ferultratrail?fref=ts


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今月のお題は一押しのトレイルランナー
周囲の女子ランナーはみんなきらきらで素敵で枚挙にいとまがないです。
もちろん男子も。
プロフェッショナルな選手もカッコ良い人、超カッコ良い人、師匠と仰ぐ人
応援してる人、あーもーーー素敵な選手がたくさんい過ぎです~(@_@;)

なーのーでー

単純に自分がトレイルランニングを本格的に始めてから、カッコいい~!!!
と思った選手と素敵だな~と思ってる方をお二人紹介します。

まずは『燃えよトレラン』にも出た須藤吉仕子さん

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小柄で優しくて喋ると可愛らしく、いつでも穏やかです。
ぱっと見、山を走るなんて想像出来ません。
が、この外見に騙されてはいけないのです。
その業績は第一回神流ロングで忍者のコスプレで優勝(写真)。
2011~2014のOSJ年間シリーズで4期連続女子総合優勝。
2013の奥久慈では転倒して負傷しながらも表彰台。レース後に病院に行ったら
折れた骨が肺に刺さって穴が開いていたというものすごい武勇伝も!
ここ数年は神流ミドルのスイーパーを『ぐんまちゃん』の被り物と一緒に務めてます。
八ヶ岳スーパートレイルのスタッフもされていました。
ほぼ無休でスイーパーやスタッフをしていたにも関わらず、疲れた顔を
見せずに笑顔で「OSJにはお世話になってるから」と言って周囲を気遣います。
OSJはもっともっと須藤さんを大切にしてほしいと思います。

もうひとかたはトレイルランニングを始めて数年した時に一目惚れしてしまった、
心の師匠であり、大好きな鏑木さんのイベントで知った~~~
マルコ・オルモ選手です。

UTMBを2006年、2007年58歳、59歳の時に2年連続で制し「時を止めた男」
として有名なイタリアの選手です。
長身痩躯で物静かな雰囲気。
UTMBのスタート前も、盛り上がる選手達から少し距離を置き、一人静かに時を待ちます。
レースでも練習でもストックを使いません。
手足は細く長いですがストライドはあまり大きくはなく、腕の振りも、同様です。
腰・胸・肩の三点は真っ直ぐで、やや前傾姿勢。
肘を引くようにして腕を振り、肩甲骨を動かし、効率よく骨盤を回転して、
走っています。(注:あくまで私見です)
DVDが出ています。音声はイタリア語で字幕が英語のため、よく分かりませんが
「自分は生まれた時からずっと今も貧しい」
「そんな自分の人生にリベンジをするために走っている」
と、語っています。多分。(注:英語が全然出来ないので。。)
採石場で働き、ベジタリアン。
奥さんは男前(色んな意味で)。
晴れた日も雪が積もっていても黙々と走り続けます。

私が知ってる事、感じた事を書いてみましたが、実はそんな事はどうでもよく、
UTMBをあの年齢で制した以外の情報は全く知らず、写真を見て一目惚れでした。
顔、雰囲気、体型、全てが好みです。
私はUTMBとUTMFに出た時、完走したいのでストックを使いました。
ですが、2014年のUTMFはストックの使用が禁止でした。
え~!ストック禁止なの?! と口では言いながら、これで迷う事なくオルモスタイルで100マイルレースに出られる~♪と、密かに喜んでいました。

2011年UTMBに参戦した時は、もしシャモニーの街で会えた時のために
Per favore, facciamo una foto insieme
(一緒に写真を撮ってください)
stringiamo la mano
(握手をしてください)
Avete mai pensato al divorzio?
(離婚を考えた事はありますか?)

これらが書かれたメモを常に持ち歩いていました。(3つ目はジョークですが)

今は時代の変化も流れもすごく早くて、それはトレイルランニングの世界にも当てはまると思います。
マルコ・オルモのような選手が、これからの100マイルレースで優勝する事は、難しいでしょう。
ですが、この偉大な選手を思い浮かべる度に
「年齢だけは言い訳に出来ねぇ...」
と、いつも言い訳三昧の自分を反省するのです。

マルコ・オルモに関する資料(2008年11月『夜明けのランブラー』Marco Olmoより)
http://komazawa.cocolog-nifty.com/maphoto/2008/11/marko-olmo.html

Marco Olmo Ultra runner(youtubeより)
https://www.youtube.com/watch?x-yt-cl=84359240&v=3pGSNzcuzvQ&x-yt-ts=1421782837&feature=player_detailpage


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「元気--!?」と遠くらか大きな声が聞こえてくる、その方向を見るとそこには大きく手を振りながら満面の笑顔の女性が立っている。体格は小柄ですが、その存在感は大きい。周囲に対して常に元気! パワー! エネルギーを与えてくれる、私にとって精神的な支えとなり、目標となる方です。
私の一押しランナーは『燃えよトレラン』にも登場されている菅沼まり子さん(愛称=みかんさん)です。

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みかんさんは知る人ぞ知る!パワフルお姉様。赤いシャツが似合うお年頃のはず???なんですが...そんな年齢を微塵も感じさせません。
 
ショートレースから100マイルレースまでジャンルは幅広く、月に1〜2回ぐらいはレースに参戦することも。さらにレースの合間に登山やトレランをこなしてしまう。富士山でバッタリ出会うことが何度かあります。あれ? 確かみかんさんは昨日レースでしたよね?なんて日も...。レース翌日に日本一高い富士山に登ってしまう、本当に疲れ知らずのみかんさんです。いったいその体力はどこから湧き出てくるのでしょうか???

体力面だけではありません。トレランセミナーで、若いランナーが先に走って行ってしまうと、「若い皆に付いて行けなくて悔しい」という言葉を聞くことがありました。私だったら歳だからしょうがないなーと妥協するところですが...、みかんさんは妥協がない。それから、昨年膝を怪我したようでしたが、少し休んだ方がいいのではと心配する周囲をよそに、登山へ出かけ、リハビリをへて見事復活! しかも復活レースでは若いランナーを差し置いて入賞です。努力を怠らない強い精神力も備えています。この気力! バイタリティーの源は? このメンタルの強さも一体どこから湧き出てくるのでしょうか???

人間的にも尊敬する面が多々あります。レースの前泊で何度かご一緒させて頂くことがありますが、宿の手配や差し入れなどなど、周囲への気遣いもナチュラルにこなし、心温まり、落ち着かせてもくれます。また、仮装をして大会の応援や、結婚パーティーで場を盛り上げてくれたりもします。時には感動、感激で涙することも。気さくに誰とでも接するみかんさんは皆の人気者です。

それから、富士登山競走でゴール手前のここぞという場所で毎年応援してくれます。「ラストー行けー頑張れー」9合目の先ぐらいからこの声が聞こえてきます。みかんさんの声を嗄らしての熱心な応援が、心身に染み渡りグッと熱い思いがこみ上げてきます。私はこの声を早く聞きたい一心で必死にゴールを目指します。今年もこの声援を昨年より早く聞くことが出来るように、頑張りたいです。

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周囲の女性ランナーは皆口々に言います、歳は言い訳にならないね、みかんさんのようにまだまだ元気に走り続けたいと。
体力、精神面、そして人間的にも私の目標となる女性です。
山、自然からエネルギーをたくさん吸収して、いつまでも元気に走り続けてください。そして、私たちの目標となっていてください。


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私のイチ押しトレイルランナーは、「唐揚げ王子」や「唐揚げ神」の異名を持つ、唐揚げ大好き岡本直也さん(今年40歳)です。

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私と直也さんとの出会いは、3年ほど前。直也さんの当時の年間走行距離は6,000km超え。しかも故障なし。走るエネルギー源は唐揚げとビール。私より年下ではありますが、走歴は倍の大先輩。あのハセツネのアドベンチャーグリーン。笑顔の可愛いゴリマッチョさんという印象(笑)

直也さんは無類の唐揚げ好きとして有名なのですが、ランナーの食生活としてはいかがなものかとみなさん思うのではないでしょうか?
そんな直也さん、不思議なことに歳を重ねる毎に進化しているのです。

私が出会ってからの直也さんの進化はこのグラフのとおり、目覚ましいものでした。

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*直也さん作成

特にこの1年は体幹トレーニングと食生活の改善に重点を置き、ハセツネも100マイルレースも、フルマラソンも自己ベストを更新しています。

食生活の改善といっても、大好きな唐揚げ量は変えません。毎晩どんぶり3杯食べていたご飯を1杯に減らすなど、糖質制限を中心に無理なくダイエット。毎日の運動消費カロリーを唐揚げ個数で計算するなど、ユーモアを忘れません。ご一緒した飲み会でも、美味しそうに揚げ物を頬張り、我慢のかけらも見られません。こうして好物を減らすことなく、楽しみながら体脂肪を減らすことに成功。
そして、大嫌いだったはずの筋トレでしたが、ラン後に欠かさず腹筋100回とプランクを続け、体幹に磨きをかけ、より一層のフォーム改善に役立てました。

直也さんはほぼ毎朝暗いうちに、雨の日も風の日も雪の日も近所のトレイルを走っています。

家族の理解を得るために、趣味のランは早朝まだ暗いうちに。家族との時間のために出たいレースに出られないときは、同じ距離を早朝こなしています。
でも、直也さんの場合は、妻子のいる男性ランナーからよく聞くような不満や我慢は全然見受けられません。
朝ランを始めてからは月間走行距離が増加し、そして結果がついてきて、そんな習慣が心から楽しいようです。

奥さまも、お二人のお嬢さんもそんな直也さんが大好きな様子。親子一緒に走ることも。

仕事も家庭も趣味も食事も、全てを全力で楽しんでいる直也さん。
そんな様子をFacebookでアップしているのですが、見る度に、いいね!を100回くらい押したいくらい清々しい気持ちにさせてくれます。

朝が苦手で、同じことを続けることが苦手で、色々なことが両立できず、すぐにツマラナイ、メンドクサイと言葉にしてしまうわたしにとって、直也さんは尊敬するトレイルランナー。これからも進化し続ける唐揚げ王子に注目していきたいと思います!

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ありがとう、君がいるから僕がいる

まとめ ――トレラン王国編集部

「頑張っている人」「尊敬できる人」「魅力的な人」「アンチエイジングな人」「リーダーに相応しき人」。トレイルランナーの中には見習うべき人々がたくさんいます。「強くてカッコいい」はアスリートの人気のバロメーターですが、内面的な部分がより重視されるのがトレイルランナーの特徴とも言えます。それはトレイルランが技(テクニック)や身体能力(フィジカル)で勝敗が決まるスポーツでもなければ、運が左右するスポーツでもないためです。トレイルランほど「人間力を問うスポーツ」(不可解な表現ですが...)はないのではないでしょうか。
次回のお題は「ザックの中身」。トレイルランや登山に行くときにザック(バッパック)の中に何を入れていくのか。(経験豊富な)エンジェルズとともに、目的に応じたザックの中身を考察したいと思います。

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