トップページ > トレランことはじめ > 第20回 ナビゲーション基礎講習会に参加の巻

ながわゆかり トレランことはじめ

2011/02/15

第20回 ナビゲーション基礎講習会に参加の巻

例年に比べて厳しい寒さが続いていますね。木の枝先もほんのりふくらみ、芽吹く春の予感を感じます。
さて今回は、以前から勉強したいと思っていた、地図の読み方やコンパスの使い方を教えていただける「ナビゲーション基礎講習会」に参加してきました。山へ行く時に地図読みが出来るに越した事はないし、山へ入る装備の一つとして是非身につけたい。

【ナビゲーション基礎講習会】
● 内容:オリエンテーリング初心者対象の基礎講習と実践
地図の見方、等高線と地形、コンパスの使い方などの基本的知識・技術の習得
● 講師:田中正人さん

田中正人講師.jpg

【田中正人さんメモ】
第1回日本山岳耐久レース(長谷川恒男CUP)の優勝者でもあり、プロアドベンチャーレーサーとして国内の第一人者。チームイーストウィンド代表。海外のレースに参加する一方で国内レースの開催、ロゲイニングやオリエンテーリングの普及のための講習会も積極的に行っている。

● 講習のポイント
・地形(尾根、谷、ピーク、鞍部)の把握
・整地(方向把握)の徹底
・ナビゲーションでの心構え
・地図を好きになる

【講習当日】
場所は埼玉県の奥武蔵。飯能中央公民館にてまず机上講習を受けます。会場には25名程の参加者、女性も7名の参加。田中正人さんによる講習はパワーポイントと合わせた説明で分かりやすく進みます。
まずは地図の説明です。山の地図に表記されているヨネヨネとしている曲線は等高線と呼ばれていて、地表の起伏を表すもの。これが分かると山の形が分かります。尾根、谷、ピークと色々な情報が含まれています。ばっちり読めるようになると、2次元の地図を見ただけで、頭の中に3Dで山が浮かぶそうです!すごいな〜。
次はコンパスの使い方。初めて見るミニ定規に合体しているようなコンパス。色々な機能がありそうですが、基本的には方角を見るために使います。コンパスの持ち方は、水平にし、体の正面みぞおちにセット。そして地図の持ち方、現在地を親指でおさえ(サムリーディング)、体は進行方向の正面に向ける。

大切なのは「整置」という作業。これをきっちりやる事がポイントだそうです。整置?はじめて聞いた言葉で一体何の事やら...。コンパスを使い、地図の向きと周囲の地形の向きを一致させる、そんな作業です(正置ともいう)。
作業としては、地図上に入った磁北線とコンパスの北を合わせる。実際に山にいる場合には、整地をした状態で自分の体を進行方向の正面に。正しい進路であれば、磁北線と磁針(磁石の針)は常に平行ですが、ルートをはずれると平行でなくなり、すぐミスに気がつく事ができるそうです。常に整置をしてマップコンタクトをとる。なるほど!ベテランの方は整置をしないと、気持ち悪くてたまらないっ! そんな症状も起こるとか。とにもかくにもコンパスだけで安心感を得られる優れた作業だそうです。

158.JPG
地図について勉強中。「問題:上の立体は等高線で表すと
どれでしょう?」

167.JPG
正人さんの丁寧な講義。皆さん真剣にふむふむ

169.JPG
初めて手にしたコンパス、色々いじってみます

178.JPG
地図に尾根と沢を書き込むという問題に取り組む。
まずピークを見つけてそこから引っ張るっと‥‥

197.JPG
解答と解説。尾根と尾根がつながるところは鞍部(あんぶ)
というそうです

206.JPG
コンパスは水平、みぞおちの下、現在地を親指でおさえて、
整地して...

212ナビゲーション.JPG
教室内で整地練習。プリントのA〜Kのどの方向に立っている
か、問題を出し合います。スタッフの和木さんに教えていた
だきました

224ナビゲーション.JPG
机上講習を受けた後は、いざ実地へ!

map_city.jpg
山へ入るまで使用した教材の1:10000の地図

233ナビ.JPG
住宅中を歩きながらレクチャーを受けます

240ナビ.JPG
「今はこの辺でしょうかね〜」なんて地図を見ながら相談


【磁北線とは?】
地形図では上が真北を示すが、コンパスの磁針が示す北(磁北)は実は真北と合致しておらず、少し西にずれているので、その偏差をあらかじめ地図上に記した線を磁北線という。偏差は場所・時間と共に変化する。読図に磁北線はかかせない。

午後からは、地図とコンパスを手に実地講習です!山へ着くまでは、1:10000の地図を片手に住宅地の中を歩くのですが、行く途中からお勉強。正人さんが細い道やら、角を曲がってぐんぐんと進み、「さて問題。今どこにいるでしょう?」。これが意外に難しい。私はハズレっぱなし...。正人さんから「全体を見る事で色々な情報が得られるので、地図だけではなくもっと周りをみるようにしましょう」とご指摘。それもその通り、周りを見る余裕があまりなく、じぃーっと地図から目を離せずにいました(笑)。参加者の方とも「今この辺でしょうか〜」
「いや〜でもあそこに曲がり角ありますからね〜」
「そうですよね〜おかしいな〜」
※ここからは地図と参照しながらお楽しみください☆


244.JPG
いま自分たちは地図上の1~7のどこに? 周囲の様子や地形をみて判断します

そして山への入り口に近づいたな。と思ったら、ここでもまた問題です。
「問題:今は地図上1〜7のどの路地にいるでしょう?」むむむむ。いずれも似ていて一段と難しいですが、みなさん手がかりを求めて先まで歩いたり、路地をのぞきこんだり、山道に入ってみたり...。そしてわかった人から正人さんやスタッフに耳打ち。「正解!」や「ぶー」。ちなみに正解は「4」でした。解説を聞くと、「ゆるい下り坂になっている」「石垣と空き地がある」「右にカーブしている山道の入り口がある」「次の曲がり角まで距離がある」など沢山の手がかりがあった事が分かります。冷静な観察力が大切です。

map.jpg
お山の実習に使用する地図。地図上にいろいろなポイントが記されていました。フムフム

いよいよ山に入っての実習です。使用する地図は1:5000、1cm=50mのロゲイニング用の地図です。普段見慣れている地図に比べると縮尺が大きい。結構な拡大版なので、少し歩いただけでも地図上で結構動いていて、距離感覚がなかなか難しいのです。(国土地理院の地形図は1:25000、山と高原の地図は1:50000)正人さんが実際の地形と地図を見比べながら説明してくれます。机上で眺めていた地図も実際の地形を見ながら進むと、実感がこもり納得できます。

057.JPG
正人さんを先頭に山へ入っていきます

069.JPG
実地講習スタート。皆さん真剣

253ナビ.JPG
外で初めての整地練習。さっきは出来たのにあれれ?
スタッフの方が親切に教えてくださいます

263ナビ.JPG
問題のⅩ点。左上の沢上部から各自Ⅹを目指します

257ナビ.JPG
X点めがけて森をまっすぐ進むと...

次の問題は「地図上のX地点へコンパスを用いて行くべし」。地図で確認するとX地点は道ではありません!まず整置をして...。「あれ?どうするんだっけ?」さっきは出来たのに...外にでるとなんとなく混乱。え〜っと‥。なんてマゴマゴしているとスタッフの方がアドバイスしてくれました。
1.まず整地する(地図の磁北線とコンパスの北を合わせる)
2.現在地から行きたい場所を直線で結ぶ(コンパスの長辺などで分かりやすくつないでも良い)
3.体を行きたい方向の直線上にくるように移動する。
4.そのまままっすぐGO!(ずれないように、延長線にある遠くの目標物を目印にすると良い)

アドバイス通り、どきどきしながらコンパスを胸に真っすぐ進むと...ちょうどくぼみになっている所に正人さんが! おおおっ! 位置は少しずれてしまったけれど、一応到着。コンパスだけを頼りにまっすぐ進んだけれど、地図をよく見ていればX地点はくぼみであると分かったはずでした。

265ナビ.JPG
獲物を探すように各自Y点の狙いを定めます

269ナビ.JPG
いっせいのせっ!ダーッシュ!


そして次の問題は「Y地点へ行くべし」。今度はいっせいのせ!で皆さん一気に走ります。教えてもらったとおり、整地をし、目標を定めコンパスを使って走りました。すると2〜3m少しずれて2グループに分かれました。あれれ? どちらが正解かな? 今回もまた私は少しずれて到着してしまいました。ほんの50mくらいの移動で2〜3mもずれると、もっと移動距離がある場合は何キロもずれて、大きなロスになってしまう事もあるとか。正人さん曰く、地図読みには性格が現れるそうです。きっちり確実系? おおざっぱ適当系? 疑い深い慎重系? etc...。Y地点もさっきと同様、地図の情報をきちんと見ていれば「・」の記号で小さなコブという情報もわかったはずでした。少しでも情報量を増やす! 大切ですね。そういった問題をいくつか楽しみ、次は初めてのロゲイニングです!!

【ロゲイニングとは...】
地図やコンパスを使用し、制限時間内にチェックポイントをめぐり、各ポイントに設定された点数を獲得、高得点を競う。どのチェックポイントを目指すか、どのような順番で進むかは参加者の自由。ゲーム性があってとてもおもしろい野外スポーツ。
ちなみにオリエンテーリングとは、地図とコンパスを使用し、スタート地点からゴールまでに設置されたポイントを順序通りに通過し、ゴールまでの所要時間を競う野外スポーツ。

097ナビ.JPG
ゲームスタート!我が道を行く?

104ナビ.JPG
冬枯れた山では竹林の緑が映える


さて、ロゲイ二ングのスタートです。
「△」のスタート地点から「1」〜「6」のチェックポイントを見つけゴールするというもの。オリエンテーリングは順番通りにチェックポイントを通過しなくてはなりませんが、ロゲイニングはどこのチェックポイントから行ってもOKです。まだ一人で行くのは少し不安があるな...という方はスタッフの方に解説をしてもらいながらまわる事もできます。私は今日教えてもらった事を試してみたく、1人でチャレンジする事にしました。地図を見て、どのルートで行こうか考えます。スタートからすぐにいける「3」から「2」→「1」→「4」→「5」→「6」→ゴールというルートを設定しました。

map_yukari.jpg
私が通ったルートをピンクに塗ってみた。反省点も色々


スタート!私は「3」に向かったのですが、なんと「3」に向かう人は誰もいません!ええっ?!(笑) ほとんどの方が「1」に向かっていく姿を見て、いささか不安になりますが、「ゆかりさん!初心貫徹!」編集長にそう声をかけられ、自分が思ったままに進む事にしました。
地図を見ながら、周りもキョロキョロそして、まもなく「3」Get!やっほ〜い!嬉しいね! 次の「2」は道がないので、コンパスを使って行くしかありません。しっかり整置をして、体を進行方向に向けて直進。するとすぐに「2」を発見。
おおっ!出来た! 引き続き「1」も見つけ、コンパスだけでポイントに行けた事に胸を高鳴らせながら、意気揚々と次のポイントへるんる〜ん♪ 一度スタート地点に戻りそこから「4」を目指します。地図からイメージしたように道が現れるようで快感です。「4」はコンパスが使える事に調子にのり、途中の道からコンパスで道なき薮を抜けダイレクトにアタック!が、そうもうまく行かず、ここは少し左右に歩きまわりポイント発見。ゲームの面白さに加え、久しぶりに駈ける山が楽しい。


ナビサムネイル.JPG
「5」をゲット!次の「6」にはどうやって行くといいかな〜早速、
地図読み読み開始

119ナビ.JPG
薮を抜けたら沢が!飛び越えちゃう。薮は野生を刺激する

129ナビ.JPG
「6」発見!植生界の角でございます


ハイテンションで気持ちよく下り「5」を発見。最後の「6」も勢いに乗りコンパスを使ってまたもやダイレクトにアタック!ややずれたところに到着しながらも、左右を見渡しポイント発見。後は薮を直進し、住宅地の道にでればゴールは目前。

もう何人かはすでにゴールしていて、皆さんも今日はじめてロゲイニングに挑戦したそう。また面白いのは、ゴールした後でも「どういう順序で来ました?」「あそこはどうしました?」「6はすぐ見つかりました?」などなど他の人はどうしたのかを話すのが面白いのです。

ワイワイおしゃべりをしながら公民館へ戻り、正人先生による気になる解説です! 皆さんはどういうルートで来たのか、どこが難しかったか、など話し合いました。今回一番難しかったのはやはり6番で、見過ごして道まで出てしまったり、その界隈で手間取った人が多いようでした。自分が間違うのは前提と考え、いかに早く間違いに気づくか! という事がポイントだそうです。また人に惑わされないというのも実は大切らしく、同じ方向だからと付いて行ったら、その人も間違えていた。なんて事も...。
色々な話を聞く事で、今日の自分自身の反省点や改善点も見えてきました。いかんせん私は感覚を頼りに進みすぎる傾向があり、「冷静に地図にある情報を読む」大切さをあらためて実感しました。
地図読みが出来るようになるための近道は、ロゲイニングやオリエンテーリングの大会に出てみる事だそうです。早速大会チェックしてみようかな♪正人さん、スタッフの皆さん、ご一緒させていただいた皆さん1日ありがとうございました☆

138ナビ.JPG
早春を感じる梅の花

ナビゲーション講習会はロゲイニングも体験でき、遊びながらもしっかり学べました。地図が読める事がこんなに楽しいなんて! 目の前の2次元の地図をな〜んとなく立体的に見ることができるようになった事が嬉しい! あまり知らなかった地図ですが、面白さの一片を味わってしまい好きになりました。もう少し勉強しながら、コンパスを胸にムフムフいいながら山へ行きたいな☆
正人さんをはじめスタッフの方が、とても丁寧に教えてくださるので初心者でも安心です。地図が読めるといっそう山が楽しくなります! オリエンテーリングやロゲイニングを思いっきり楽しむのももちろん、万が一の道迷いに備え、装備の一つとしてナビゲーションスキルを身に付けてみるのはいかがでしょうか。地図とコンパスを持って山へ行こう☆

143ナビ.JPG
ゴールの神社前で参加者の皆さんと記念撮影☆

来る3月6日(日)に田中正人さんによる「ナビゲーションたっぷり講習会~初級編」(2/27〆切なのでお早めにどうぞ)、さらに4月3日(日)には名古屋でも開催される予定です。興味のある方は是非!
http://www.adventure-race.net/Race/course/lecture/navigation/20110306.html
● 参考情報●
オリエンテーリング.com
http://www.orienteering.com/index-j.htm
日本ロゲイニング協会
http://www.rogaining.jp/index.php?lang=ja

01長和コンパス.JPG
早速SUUNTのコンパスを購入。以前買った、等高線いっ
ぱいの地図と


そして現在、ナビ講習会でお世話になった田中正人さん率いるアドベンチャーレースチーム「イーストウィンド」が、アジア代表としてパタゴニアエクスペディションレースに出場しています! メンバーは田中正人さんを隊長に田中陽希さん、倉田文裕さん、和木香織利さん。日本から健闘を祈っています! レースの模様は5月21日(土)NHK『ワンダー×ワンダー』4月下旬のハイビジョン特集(BSハイビジョン)で放映予定です。
レースの経過や模様(you-tube)が、イーストウィンド・チームプログにupされています。
http://east-wind.seesaa.net/

※ パタゴニアエクスペディションレースとは...
南米チリ、パタゴニアの大自然を舞台に行われ、人力だけで500〜600kmを8日間に渡って行われる過酷なレース。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.trailrunning-ohkoku.jp/mt/mt-tb.cgi/23

コメント(4)

goodtail | 2011年2月17日 00:49

自分も参加しました!あれっひょっとしたら、、、、と思ったのですが今度お会いしたら声かけますね。今年はどんなレースに出場するんですか??また動画レポート楽しみにしてます。自分は方向音痴を再確認した1日でした。

山系ENJOY | 2011年2月17日 07:20

ながわさん、ナビ講習会お疲れ様でした。
第三水曜日の記事アップを楽しみにしていました!記録がとても細かくて、体感レポートが伝わってきます!当日の様子が思い起こされます。
またレース会場でお会いした際には声をかけさせていただきます。

あれはロゲイニングだったんですか・・・!てっきり1番から回らなければいけないとばかり思ってまっさきに突進した一人です

>goodtailさん
そうでしたか〜!お話できなくて残念。今度見かけたらぜひお気軽に声をかけてください☆山に入ると方向がわかりにくくなりますよね。でもきっとコンパスがあれば大丈夫です!動画レポートも見てくださりありがとうございます。今年のレースは未定です‥‥(笑)もう少しあたたかくなったらのんびり山へ行きたいなと思っています。また山でお会いしたときはよろしくお願いします♪

>山系ENJOYさん
先日はおつかれさまでした☆お話できて良かったです。またまた早速いらしてくださりありがとうございます!山系ENJOYさんのブログ、とても読みやすくて色々読ませていただきましたよ。また遊びに行きます。あ〜そうか、それで1番に行かれた方が多かったのですね。私は勝手に近いからという安易な理由で3番から行ってしまいましたが(笑)またお会いしたときにはよろしくお願いします☆

コメントを書く

コメント記入欄

ページのトップへ戻る