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EMMA_SON TRIPPING

2016/08/06

第15回 夏山残像

こんにちは!EMMAです。今日は今月末に迫ったビッグチャレンジについてのお話です。

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実は今年、UTMB(100マイル山岳レース『ウルトラトレイル・デュ・モンブラン』)に挑戦します。
昨年は、初めての海外レースとなったTDS(119km / 7,250mD+)を30時間12分09秒で完走しました(同連載第5回にてレポート)。あの感動と興奮が忘れられず、ついに憧れのUTMB(170km / 10,000mD+)の世界をこの目でこの脚で見てきます。

制限時間は46時間半。スタートは8月26日18時、ゴール関門は8月28日の16時30分。私にとって、初めての2晩越え、それ以前に初めての100マイルレースとなります。今年の5月にグループランで仲間と100マイルを走ったものの(レポートへリンク)、その多くがロードでした。本格的な山岳での100マイル。未知の世界です。

昨年のUTMBでは、多くの選手が暑さに悩まされました。暑さは熱中症や脱水症状に繋がり、さらにはその影響で内臓の調子を崩したり、ハンガーノックを呼んだりすることもあります。日本のトップ選手や私の仲間数名が苦しいレースとなっていく様子を見ていました。

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昨年のスタート地点。シャモニーの街

インターネットでシャモニーの天気予報を見ている限り、7月は例年と同様~例年よりやや気温が低く、8月の予報ではやや低め。来週あたりでは悪天で、最高気温最低気温共に例年の半分以下の気温という予報の日もあります。全体的に予報では最低気温が5度以上低いことが気がかりで、これが涼しくて走りやすいコンディションとなれば良いのですが・・・・。過去の2010年~2012年の悪天候によるレース中止、スタート時間の変更、100kmへの短縮などを思うとちょっと身構え始めています。今年のモンブランマラソンでは、残雪がありコース変更になっています。ウィンターシーズン、雪が多かったのでしょうか。

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シャモニーの街から見上げたモンブラン。当たり前ながら、年中雪があります

ちょっと話が飛びますが、7月の下旬に富士登山競走に参加してきました。毎年「ピーカン」という言葉がぴったりなほどの晴れになる富士登山競走も今年は梅雨明けが遅れた影響か、前日から雨。当日も朝から雨は降り続き、結局スタート前に数年ぶりの五合目打ち切りとなりました。

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朝からこんな調子の富士宮商店街

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スタート時点ですでにシューズの中もグズグズ状態

富士登山競走の選手層は独特で、トレイルランナーというよりも、多くの"富士登山競走ランナー"が走ります。また、ロードランナーも多く、普段はトレイルランニングはやらないのだけれど、富士登山競走だけは毎年出ているという人も少なくありません。

防水素材のレインシェル上下を持っている人がどのくらいいるのでしょうか。いや、トレイルランニングシューズもトレイルザックも持っていないかもしれません。非常にコース、制限時間共に厳しいレースで、山頂コースであっても半袖短パンにウエストバッグという装備の人がほとんどです。弾丸登山をやめよう、などと呼びかけられている同じ富士山であっても、そこはまるで別の世界。いつも複雑な気分になります。

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スタート時の様子

大会事務局の判断は懸命で、すみやかな変更も含めてなんだか安心しました。五合目打ち切りの主な理由は、『山頂の気温が非常に低く、下山時に低体温症となる危険性が非常に高いため』とアナウンスされていました。スタート時には小雨で、一見開催できそうな天候でした。しかし目指すは、日本一の高さ。2,000人以上が雨に濡れた身体で吹きさらしの標高3,776 mを目指すのです。だけれど、会場にはほぼゴミ袋と同じような簡易のビニール合羽をかぶっている人ばかり。(そしてそれを皆途中で捨てる) 万が一走り続けて山頂までは冷たくならなかったとしても、ゴールは山頂。そこから5合目までその格好で下りなければならないわけです。想像しただけでもぞっとします。

さて、話は戻ってUTMB。
UTMBも装備レギュレーションが決まっています。軽い装備の方が走りやすいのはもちろんですが、富士登山競走の光景を見て、改めてトレイルレースの必携装備の意義を感じました。前回の記事にも書いたことですが、自己責任だという議論もあるものの、逆に必携装備が決められていることは有難いくらいです。山に入るには何が必要か。それを示してくれていると考えても良いのではないでしょうか。もし天候が崩れたら、そこは標高2000m以上のヨーロッパアルプス。必携品だけでなく、自分の判断で必要だと思うものを、追加で持っていこうと思っています。

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お腹が冷えやすい私。温めグッズは毎回必須(カイロ、腹巻、軽量保温ボトル)

本番までもうあと3週間です。
昨年は比較的直前まで高山へ足を運びました。疲労抜きが難しいですが、毎週毎週山に登っている感覚の延長でそのまま大きな登りもクリアしたことがとても効果的だったので、今年もまた標高2000m以上の場所へ地道に通っています。

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富士登山競走前は、三連休で富士山3DAYS

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お鉢巡り付き。こんなに天気良かったのに本番で雨が降るなんて

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その後は、谷川岳に行ってみたり

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こちらは南アルプス、仙丈ケ岳

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平日でかつ朝イチで人の少ない尾根を走り、大仙丈を日帰りピストン

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こちらは大菩薩嶺。前日にテント泊をして大菩薩を経由して、標高2000mベースの尾根を約30km縦走

トレーニングというよりも、夏山縦走が好きなので、楽しみながら山に入っていてメンタルとしては良い状態だと思います。ただ、5月の肉離れの影響はまだやや引きずっていて、怪我と逆の膝の違和感や、なんとなくまだ体力が元に戻ってきていない感覚があります。未知の世界に飛び込む不安はあれど、あの涙の出るような広大で美しい景色と3か国にまたがるスケールの大きさ、興奮の数々は国内では味わえない経験。心配事など胸の高鳴りにかき消され、はやくあの場所へ行きたいというワクワクでいっぱいです。

良い報告ができますように。
わたしなりの楽しみ方で、当日までもう一息。

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昨年のUTMBの最終エイドで見つけた最も印象的だったランナー。
彼のように、自分らしく楽しみ、そして強い気持ちで挑みたい

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