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2010/07/02 今回の主人公
第9回 遠藤和子さん
昨年9月一人で富士山を日帰りで登った遠藤さん。仲間と和気藹々過ごすのが好きな彼女も、いったんトライしようと決めると、ひとり行動力を発揮する。
中学から実業団までチームの一員として走り続けてきた遠藤さん。だからこそ、本当のラン二ングの喜びを誰よりも知っている。モチベーションはあの頂のごとく高く、前方にはまだまだ刺激的な日々が待っている。
遠藤さんを導いたふたりの指導者と仲間

- 秦野高校陸上部部員として駅伝に燃えていた頃(前列右から2番目が遠藤さん)
6月半ば、雨上がりの北鎌倉の空は澄んで快晴。山麓にアジサイが咲き乱れるこの季節、休日のこの街には大勢の観光客が訪れるが、住宅地を抜けて一歩鎌倉トレイルに入ると静かで緑豊かな森が広がる。北鎌倉には自然が溢れている。
本日の青空のように澄んだ瞳の女性が現れた。湘南辻堂に暮らす遠藤さんにとり北鎌倉は地元のフィールドだ。トレイルを抜けて六国見山の山頂に出ると、湘南の海がキラキラと輝いていた。今日は取材の後、自宅のある辻堂までファンランして帰る予定とか。
北鎌倉のトレイルを颯爽と走る遠藤さんのランは実にリズミカルで、素人目に見ても無駄がない。「やっぱりマラソンを何回も経験している人はフォームが違うな」と思っていたら、なるほど。その後話を伺うとその経歴はやはりただ者ではなかった。トレランに到達するまでのお話しが実に長い。
神奈川県伊勢原市。丹沢山麓の町に生まれた遠藤さんは中学生から陸上部の選手としてラン二ングを始めた。
「小学生の頃はミニバスケをやっていていました。陸上なんて考えても見なかったけど『やる気さえあれば速くなる』という言葉に誘われるまま、クラブ紹介の日に決めました。親にも『足が遅いのに、なんで陸上部?』って心配されました(笑)。でもあの日勧誘してくれた先輩のお陰でいまの自分があるのだと感謝していますし、小林先生といういい指導者にも出会いました。」
成瀬中は伊勢原市ではちょっと有名で、成中陸上部ここにありの学校。男子は神奈川県大会の駅伝競技で優勝経験もある強豪だ。中学女子の中長距離は800、1500、駅伝。3年時に部員も育ち女子部を結成した成瀬中はこの年、見事神奈川県大会で優勝。遠藤さんは1区(3㎞)を走り、チームを優勝に導いた。
「中学時代はランニングに明け暮れる日々だったので、高校に入ったらサッカー部のマネージャーをやろうかなと思っていたのですが(笑)、地元で陸上の強い高校(県立秦野高校)を選んだ時点で私の気持ちは半分決まっていたのかもしれない」
高校でもいい指導者に恵まれた。顧問の石井先生は当時1500mの日本記録保持者だった。2、3年時に県大会の駅伝競技で優勝。3年生のとき初めて開催された京都の全国大会に神奈川県代表として出場した。都大路のアンカーを託された遠藤さんは12位で襷をもらい、抜きつ抜かれつの激走の末、チームの順位をひとつ上げて11位でゴール。
「10位までが表彰される大会だったのでいまでも悔しい。あの大会は自分の順位が終始分からず、『いま私何位なの? 誰か教えて』って感じで走っていました。石井先生は私たちの卒業と同時に日本体育大学の陸上部監督になられました。当時、毎年正月の箱根駅伝では湘南の沿道で先導車に乗って選手を鼓舞する先生を応援しに行きました(笑)」
ところで、秦野高校陸上部には同学年にその後日本代表となり1999年の世界陸上セビリア大会のマラソンで8位入賞を果たした小幡佳代子さんがいた。共に秦野高校の女子駅伝チームを神奈川県トップに押し上げた仲間。遠藤さんにとって小幡選手の活躍は自分のことのように嬉しかったのだ。そして彼女の存在が、遠藤さんをふたたびランにかりたてる大きなモチベーションとなる。それは少し先の事だ。
実業団に入り走り続けた日々

- 『チームターザン』のメンバーとマウイマラソンでフル9年ぶり完走!!
高校を卒業し実業団に入った遠藤さん。それはアスリートとして赴くまま。流れは陸上一直線。高校を卒業し二十歳前後といえば青春を謳歌する年頃。彼女は陸上に身をささげた。
「私は体も小さくて、スプリントという面では大きな選手にはとても勝てない。でもマラソンならタイムを出せる自信がありました。もう一度自分の力を試してみたい。ひとつ高いレベルでチャレンジしたいと思いました」
しかし、その願いは容易に叶うものではなかった。全国から有望な選手を集める実業団のレベルは高く、その中で遠藤さんはなかなか輝くことができなかったのだ。午前中に仕事をして午後から国立競技場で練習。毎日トラックでトレーニングを積んでも、タイムを出しても常に上を行くメンバーがいて、4月にはまた新人が入って来る。結局チームのビブスを着てマラソンに出ることはできなかった。
「悔しくて情けなくて、2年頑張りましたけど退部することにしました。それからはやけ食いというか、それまでの反動もあり、気がついた時には1年で10kgも太ってしまったんです。これは大変ということで、初めてフィットネスのために走り始めました」
1年後、21歳の秋、初の河口湖マラソンを3時間23分でゴールする遠藤さんの笑顔があった。選手を引退し、マイペースで走り始めた遠藤さん、翌年の河口湖ではPBの3時間17分を記録した。
その後、仕事も忙しくなりフルマラソンレースから遠ざかった遠藤さん。時折、走る理由は体形維持のため。もはやタイムや順位に固執しない市民ランナーとしてハーフやショートに出場した。
9年後、30歳という区切り。遠藤さんにはひとつどうしても果たしたい事があった。それは高校の同級生、小幡さんと一緒に走ること。舞台は翌年1月に開催される『大阪国際女子マラソン』。
「自分としてはフルを走るなら今しかないなとエントリーしました。というのも一度小幡と同じ舞台で走りたかったのです。もちろん彼女は招待選手で当時国内トップクラスのランナー、私は彼女の背中を追うこともできないのですが、高校の駅伝以外一緒に走ったことがなかったので…。
ところが、当日スタートラインに立つと小幡は腸炎で欠場、私といえば一週間前にインフルエンザにかかり、第一関門の大阪城で足切り、と散々でした(笑)」
楽しいラン二ングとの出会い

- 『湘南ゆるゆるランニングクラブ』のメンバーとの09年湘南マラソンではMinnie! Good job!
彼女が再び輝く転機が訪れた。大阪国際女子に出場したこの年、スポーツ専門誌『ターザン』企画による、マウイマラソン挑戦の『チームターザン』の読者メンバー(男女6名)に選ばれたのだ。
「当初はアドベンチャーレースが面白そうで、そのチームメンバー募集に応募したのですが、そちらは落選。でもマウイマラソンのメンバーも募集しているのでそちらも応募してみたら、と面接で教えていただき、ダメもとで応募したら受かったのです!!
チームコーチは金さん(駅伝・マラソン解説者としておなじみのプロ・ランニングコーチ金哲彦さん)で、9月のマウイマラソンに向けて約半年間、チームでトレーニング活動をしてレースを完走するという過程が雑誌に連載されました」
9月、マウイマラソンにメンバーと出場した遠藤さんは見事女子10位、年代別では優勝を飾った。9年ぶりのマラソン完走だった。
「マラソンは一人で練習するものと思い込んでいたのですが、チームの仲間と一緒に練習することがとても楽しくて、走る事ってこんなに楽しかったっけ? と思うほど充実した日々でした。それまでは好きでやっていたはずなのに実際はストレスを感じていました。自分一人ではできなかったことがチームターザンに入って出来たのです」
マラソンをつうじて多くのお友達ができた遠藤さん。その後、彼女のアウトドアライフの活動範囲は一気に広がる。ターザンつながりで出場した本栖湖のアドベンチャーレース。MTBを購入しペアレースに出場。カヤックはぶっつけ本番で出場。何事にも用意周到な彼女が積極的にチャレンジを始めた。
「2回目のアドベンチャーレースに出場していた他チームに偶然にも成瀬中の後輩がいました。彼は地元丹沢でトレイルランをやっていると聞き、面白そうなので誘ってもらいました。08年に北丹沢山岳耐久レースに出場しましたがあえなく第2関門でリタイア。とにかく蒸し暑い苛酷なレースで、下りが下手な私はすぐヒザが痛くなってしまうのです。正直、トレイルレースは私にはむいていないな~と思ったのですが、昨年の夏、富士山に登ってまたトレイルレースに出てみたいと思いました。
なぜか突然登ってみたくなって、9月に一人で富士山に日帰り登山して来ました。富士山はルートが沢山あるので、毎回新鮮な登山が楽しめますね。お鉢巡りをして、大砂走りを駆け下る御殿場ルートの下りが爽快だった。『山もトレイルランも楽しいな』って」
この夏、遠藤さんは再び7月の北丹沢山岳耐久レースに挑戦する。
今でも中学、高校時代に一緒に走った仲間とともに駅伝に出たり、地元のラン二ングクラブ「湘南ゆるゆるランニングクラブ」でファンランナーとしてラン二ングライフを謳歌している遠藤さん。
「『湘南ゆるゆる』では、お友達と三浦半島のスポットにホタルを見に出かけたり、港の美味しい食堂をゴールにしたり、手作りの楽しいラン二ングライフを実践しています」
その一方で、
「地元神奈川に国際女子が移ってきたこともあり、実は来年2月の横浜国際女子に出たいと密かに狙っています。というかバラしちゃいましたね(笑)。フル3時間15分が出場の基準タイムなので、またマイペースで練習に励みます」
モチベーションはあの頂のごとく高い遠藤さん。ロードもトレイルも山も自然も大好きな素敵な女性でした。
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アロマテラピー |
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20年+α(トレラン5年) |
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| エクストリーム奥大井(アドベンチャーレース)(2009年9月)、平塚6時間ゆめリレー(9月)、 湘南マラソンツアー(フルマラソン)(11月)、伊勢原駅伝(2010年1月)、鎌倉アルプストレイルラン(2月)、お台場24時間チャリティリレー(3月)、ハセツネ30K(4月)、東日本国際親善マラソン(ハーフ盲人伴走)(4月) |
遠藤和子さんご紹介による 次回『燃えラン』主人公は、生田目 耕さんです!

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- 遠藤和子さん
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- 生田目 耕さん








