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トレランギア | トレラン王国がチョイスした「優れたるプロダクツ」

第3回 MSR Nook™(ヌック)

MSR Nook™(ヌック)

テントを持っているトレイルランナーはまだ少数派です。その目的がレースオンリーであったり、登山のスタイルが1dayのスピードハイクであったり、志向としてウルトラライトパッキングを目指している方が多いためと思われます。しかし2名用の居住性をもつテントが僅か1.5Kgにも満たないとすれば、活動範囲はさらなる広がりをみせることでしょう。例えばテントと山小屋を併用した2泊3日の縦走とか――。
近年のテントの居住快適性、軽量化の進化は目を見張るものがあります。テントを使うと山の楽しみが格段に広がります。トレイルランナーの皆さんの間でも登山への注目が注がれている今、ぜひテント泊での山行を体験いただくことで、山への理解、山の魅力に触れていただきたいと思います。今回はトレラン王国がプッシュする最新モデル、『MSR』の「Nook」をご紹介します。

Ronud up――製品概要

MSR(Mountain Safety Reserch)はそのブランド名のとおり、登山家の安全を守ることを目的とした姿勢を何十年にもわたり守り抜き、安全で高い信頼性のあるプロダクツを作り続けてきたUSAのクライミングギア・メーカーです。1969年の創業よりガソリンストーブ、テント、スノーシューなど登山・キャンプにかかせないギアを開発し、世界中の冒険家や登山者、または世界を旅する旅行者から愛され続けているブランドです。

2012年に発売された2人用の半自立※ドームテント『NOOK』が、今期マイナーチェンジされました。目立った変化としては、フライが白になり、インナーがMSRのブランドカラーである赤に変更され、デザイン面でクールさがアップ。そして、最も注目すべき点は、全体の素材が見直され、前モデルより150gの軽量化が図られていることです。

2名用の半自立テントでミニマムウェイト(フライ、インナー、ポール含)が1.27kgという数字はもっと注目されるべきなのですが、「非自立のシェルタ=軽い、ドーム式テント=重い」という概念が根強いため、その事実が広く認知されていないのが現状です。その点を踏まえ、今回はウルトラライト、ファストパッキングの視点を絡めてこの新しくなったNOOKを紹介したいと思います。
※付属のグロメットにトレッキングポールをアタッチすると自立する。

■『 NOOK』主要スペック
定員 2
ドアの数 1
最小重量
(フライ/本体/ポール) 1270g
総重量 1460g
フロア面積 3.16m²
フロア容積 1359L
室内最大高 96cm
収納サイズ 51×15cm
自立 △
フライ材質 20Dリップストップナイロン・デュラシールドコーティング 耐水圧:1,200mm
本体生地 20Dリップストップナイロン
メッシュ材質 15Dナイロンマイクロメッシュ
フロア材質 30Dリップストップナイロン・デュラシールドコーティング 耐水圧:3,000mm
ユニバーサルギアロフト 取付不可
ガイコードポイント 10
生産国 Made in China

右から専用バック、ペグ、ポール、レインフライ、テント本体。パックに収納する場合はケースはいらない
右から専用バック、ペグ、ポール、レインフライ、テント本体。パックに収納する場合はケースはいらない
25Lのパックにシュラフとマット、アウターと共に収納してもこれだけコンパクト。なお、ポールは外付にした
25Lのパックにシュラフとマット、アウターと共に収納してもこれだけコンパクト。なお、ポールは外付にした
身長175cmの筆者だが、天井は高く足を伸ばして寝てもまだ余裕がある広さ
身長175cmの筆者だが、天井は高く足を伸ばして寝てもまだ余裕がある広さ

impresstion ――立ててみた

■収納

専用の収納袋に入れなければ約1.27kgという重さは自立式の1人用ダブルウォールテントでも軽量の部類に入る重量だが、それが2人用でこの軽さというのが驚きだ。
今回は25Lのレース用パックに、ポールとペグは外のポケットに収納し、メイン気室にはインナーとフライシート、3シーズンシュラフ、マット(サーマレスト:EVOライトレギュラー)、レインウェア、着替え、を収納したが、さらに食料1日分程は入るスペースがあった。インナーとフライの生地が強く、薄くしなやかなので、小さく薄くたたむことができた。マットを外付けにすれば、さらに収納スペースに余裕ができる。
1名で背負うにしても十分に軽いが、2名での山行であれば、フライとインナーを分担すれば、非自立シェルター並みの軽さにできる。

■立てやすさ

先ず分割されたポールを組み立てて、ポールの端3点をインナーテントのグロメットに差し込み、本体のフックをポールに吊り下げると半自立の状態だが基本の骨組みは即立ち上がる。次にフライシートを被せるが、フライシート内側の要所にベルクロがあり、それをポールに巻き付けることで、フライシートは正しい位置に固定される。組み立て中にどこかを引っ張るとどこかがズレるという現象が起きないようになっているので、初めてでもサクサクと手早く綺麗な形に張ることができた。
今回は試さなかったが、後方下部をトレッキングポールで補助すれば完全自立式テントになるので、稜線等の風の強い場所で立てる際はトレッキングポールを利用すると良い。

■居住性

まず室内の広さだが(筆者体型:身長175cm、中肉中背体型)、実際に3シーズンシュラフで一泊したが、縦の長さは十分確保されていて、足をまっすぐに伸ばして寝ることができた。横幅については、2人用なので当然だが、写真のとおり1人では広すぎるくらいの余裕があった。
インナーの入口付近には縦長のメッシュポケットが1つある。縦長なのでボトルを立てたまま収納したり、スマホや眼鏡も収納しやすくなっている。また、天井に複数のループがあり、ライトを吊るしたり、細引きを通せば濡れた衣服を干す簡易物干しにするなど、工夫次第でいろいろな使い方をアレンジできる。

フライには左右にベンチレーションがあり、べルクロの柱で開けっ放しにできるので通気性を確保できる。ベンチレーションが高い位置にあるので、風を身体に受けずに風が通過するので、開けっ放しでも体温を奪われることがないのが良い。
一昼夜雨に降り続けられたが、朝に起きても浸水は無し。シームもしっかりしていて雨天でも安定した居住性を確認できた。

前室には2人用のシューズ、パックを置いてもはみ出すことない広さが確保されているので、雨天時に泥だらけのシューズを室内に入れる必要がない。

■使用するシチュエーション

基本的には縦走登山向けだが、2名でインナーとフライを分担すればファストパッキングも可能。また、中が広くゆっくり休むことができるので、遠征レースでの前後泊のテント泊用としても使える。
そして別売りの「ギアシェッド」を前室に追加すれば、前室を2倍の広さに拡張できるので、自転車ツーリングキャンプや、ペット連れのキャンプ、ロックフェスまで応用範囲は幅広い。
これまでは縦走登山用、ファストパッキング用、レクリエーション用など、用途に合わせて違うテントを揃える必要があったが、NOOKは2名までなら、どんなシチュエーションもこなしてしまう素晴らしい柔軟性を持っているので、とてもコストパフォーマンスが高いテントと言える。

解説=千田 誠(ランブラー)

解説=千田 誠(ランブラー)
レアなヒットプロダクツを先取りするリサーチ力に長け、自らも数々のマウンテンギアをテスト&愛用するギア・アナリスト。『トレラン王国』では、専門誌『J-TRAIL』のギアキュレーターやパック&ベストのテスターとして活躍。主に100km以上のロングレースを好むウルトラランナーでもあり、2013シーズンは『UTMF』『UTMB』をW走破。トレラン王国ではギアキュレーターを務める。
本体のみ自立させた状態。上部はマイクロメッシュなので完璧なる防虫。夏の山麓はこれだけで心地よい
本体のみ自立させた状態。上部はマイクロメッシュなので完璧なる防虫。夏の山麓はこれだけで心地よい
レインフライは覆いかぶせてベルクロとペグで固定するだけの早業。全部で約10分で完了
レインフライは覆いかぶせてベルクロとペグで固定するだけの早業。全部で約10分で完了
フロア入り口の前室スペースにはパック、シューズを置ける。さらに戸口にはスマホや地図など小物を収納できるポケットを装備
フロア入り口の前室スペースにはパック、シューズを置ける。さらに戸口にはスマホや地図など小物を収納できるポケットを装備

編集部がプッシュするアザーモデル

SELECT1

ヌック ギアシェッド
Nook™ Gear Shed™

ヌック専用のギアシェッドをテントに追加すると収納スペースが2倍にな りバックパックテントが長期のテント泊にも適したベースキャンプテント として使える。トンネル型の大きな出入り口と、フロアの一部にギアを 汚さずに置ける収納スペースがある。

ヌック ギアシェッド

■最小重量:(本体/ポール) 610g
■総重量: 720g
■フロア面積: 1.34m²
■フロア容積 :524L
■室内最大高: 100cm
■収納サイズ :48×11cm
■自立  ×
■フライ材質: 40Dリップストップナイロン・デュラシールドコーティング、耐水圧,200mm
■フロア材質 70Dナイロンタフタ・デュラシールドコーティング、耐水圧3,000mm
ガイコードポイント 1
■生産国 :Made in China
■価格 :本体 ¥22,000+税

SELECT2

ハバ NX
Hubba™ NX

革新的なハブデザインのパイオニアであるMSRはテントを変化させ続け、ベストセラーのバックパッキングテント「ハバ」を超軽量、さらにコンパクトなものにし。
■超軽量:1.12kg ―従来モデルより170g軽量
■居住性:軽量化したにも関わらず、従来モデルよりさらに広いフロア。出入口も従来モデルより大きくなった。オプションのハバギアシェッドを使用することで、前室の面積を2倍にすることが可能。
■簡単な設営:ハブ構造のポールシステムにより設営が簡単。クリップ式で素早く簡単に設営できる。

ハバ NX

■定員 1
■最小重量:(フライ/本体/ポール) 1120g
■総重量 :1290g
■フロア面積: 1.67m²
■前室面積: 0.84m²
■フロア容積 736L
■前室容積 241L
■室内最大高 91cm
■収納サイズ 46×15cm
■自立 ○
■フライ材質 :20Dリップストップナイロン、耐水圧1,200mm デュラシールド・ポリウレタン&シリコーン・コーティング
■本体生地: 20Dリップストップナイロン
■メッシュ材質 :15Dナイロン・マイクロメッシュ
■フロア材質 :30Dリップストップナイロン、耐水圧3,000mmデュラシールド・ポリウレタン・コーティング
■ユニバーサルギアロフト 取付可
■ガイコードポイント 2
■生産国: Made in Taiwan
■フットプリント生産国: Made in China
■価格:ハバ NX 本体 ¥49,000+税
専用フットプリント 本体 ¥5,000+税

SELECT3

EVOライト
EvoLite™

本企画でも使用。MSRテントとの親和性は抜群でこのマットレスとセットで快適な天泊を。
新開発の空気圧を均一にコントロールし、さらに軽く、小さく収納できるアトモスフォームと、フォームとエアチャンネルを交互に配置するエアーフレーム構造でさらに軽量化されたにもかかわらず、ロフトが5cmもある次世代マットレスだ。

EVOライト

■サイズ:S(スモール)・R(レギュラー)・L(ラージ)
■カラー:PUMPKIN
■大きさ:S/ 51×119cm R/ 51×183cm L/ 63×196cm
■重量: S/ 330g R/ 480g L/ 650g
■材質 :30Dミニダイヤモンドリップストップ
■厚さ: 5cm
■収納サイズ(長さ×直径):S/ 23×11cm R/ 23×13cm L/ 28×14cm
■R値: 2.1
■生産地(国): Made in Seattle(USA)
■価格:S/ ¥15,000+税 R/ ¥19,000+税 L/ ¥22,000+税

商品に関する詳しい情報:モチヅキ

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