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レースレポート Vol.4 | 武田の杜 トレイルランニングレース

甲府市民ランナーが誇る走れるトレイルコース。一年の計は『武田の杜』で

甲府盆地の北側に連なる奥秩父の山々。この裾野に位置する丘陵を形成する『武田の杜』は甲府市民の里山だ。市民の誰もが小学校の遠足や家族との行楽で訪れるところ。
コース終盤の「白山」山頂やゴール地点の「健康の森」からは、甲府盆地を一望でき富士山や南アルプス、八ヶ岳連峰の眺望も抜群だ。もちろんレース中は景色を眺める余裕はないかもしれないが、いずれまた新緑の季節に、ファンランや行楽に訪れてみたくなる快適で自然豊かなルートなのだ。

本格的な冬を迎えつつある12月中旬の穏やかな日曜日、この武田の杜を舞台とする『第1回武田の杜トレイルランニングレース』が開催された。コースディレクターは国内初のプロのトレイルランナーとして『斑尾フォレストトレイル』、『信越五岳トレイル』をプロデュース、精力的にトレイルラン二ングの普及に努める石川弘樹氏だ。
大会前夜には、甲府市市民センター大ホールで石川氏によるコースガイダンス、地元韮崎のトップランナーで先のツールド・モンブランで8位入賞を果たした山本健一氏を交えたトークショーのほか、地元特産品が当たるビンゴ大会など、参加者へのホスピタリティも地方大会ならでは。前泊者の宿泊ベースとなった湯村温泉で選手は鋭気を養った。

メイン会場となった武田神社は大正8年創建。毎年4月12日に信玄公祭りが開催される
メイン会場となった武田神社は大正8年創建。毎年4月12日に信玄公祭りが開催される
開会式の一環として選手ともども安全祈願が行われた
開会式の一環として選手ともども安全祈願が行われた

山梨県の大会とは言え、会場へのアクセスがすこぶるいい。スタートとなる武田神社はJR甲府駅からバス・タクシーで約8分だけに地元参加者には格好の市民レース。クルマならば東京・新宿からも中央自動車(甲府昭和IC)経由で1時間30分という手軽さだけに、首都圏からの参加の場合でも、当日でも早朝に家を出発すれば受付(AM6:30~7:30)に間に合ってしまうのだ。ひょっとすると下道で青梅や五日市に行くよりも早いかもしれない。

スタート直前、武田信玄公を祀る武田神社では大会運営者と参加者全員で安全祈願が行われた。逸る心を静めるにはちょうどよいセレモニー。早朝の神社は精神統一にはベストスポットだと思う。

午前8時、235名の選手が武田の杜へ旅立っていった
午前8時、235名の選手が武田の杜へ旅立っていった

8時ちょうど。235名のレーサーが一斉に武田神社からスタートした。全行程30kmのコースは武田の杜の遊歩道がメインとなる。

標高350mの武田神社からコース前半(約7km地点)にコース中、最高峰の要害山(標高770m)に到達。
その後もヒノキやアカマツの茂る自然休養林の森と園地を経由し、18km地点の第一関門・鳥獣センターへ。この10kmの区間はいわゆる下り基調のルートでスピードが出る。トップグループはもちろんタイムを狙う選手には気の抜けないレース展開となる。気を抜けばすぐに置いていかれてしまう。

第一関門からは巨岩のピーク、白山まで再び直登。
当日は曇り空で富士山は残念ながら拝めなかったものの、視界の開けた山頂からは眼下に甲府盆地、さらに登ると正面には南アルプスの最北端にあたる鳳凰三山や甲斐駒ケ岳が悠然とそびえ立つ。コースのハイライトだ。

前半は小川壮太選手かリード、すぐ後ろに青木光洋選手がピタリとつく
前半は小川壮太選手かリード、すぐ後ろに青木光洋選手がピタリとつく
招待選手として地元のヒーロー山本健一選手もレースを満喫
招待選手として地元のヒーロー山本健一選手もレースを満喫
第1関門エイド。残り12km、さぁ、ここから後半戦だ
第1関門エイド。残り12km、さぁ、ここから後半戦だ
白山から臨む、千代田湖と南アルプスの連山のパノラマ
白山から臨む、千代田湖と南アルプスの連山のパノラマ
白山の登り。悲しいわけじゃないのです。厳しいのです
白山の登り。悲しいわけじゃないのです。厳しいのです
尾根の向こうには甲府市街。都会と杜の意外なコントラスト
尾根の向こうには甲府市街。都会と杜の意外なコントラスト
女子トップ登場。終盤の健康の杜までリーダーを務めた小林正美選手
女子トップ登場。終盤の健康の杜までリーダーを務めた小林正美選手
ラスト3km。日差しが出てきた。元気も出てきた
ラスト3km。日差しが出てきた。元気も出てきた
「健康の森」は市民の憩いの自然公園。ぜひ皆さん訪れて
「健康の森」は市民の憩いの自然公園。ぜひ皆さん訪れて

右手に千代田湖を垣間見ながら下るといよいよコースは終盤の健康の森へ。なだらかな高台の尾根にはりめぐらされた遊歩道は「冬の小道」「白樺の道」「山吹の道」というようにそれぞれ名がついた、四季折々の自然を体験できるプロムナードなのだ。園内には芝の広場や野鳥観察小屋、ウッドチップ舗装されたセラピーロード『癒しの小径』などがある市民の森だ。この時期の森は冬枯れていて静かだが、トレイルランはむしろベストな季節。

選手たちはゴールとなる小高い展望台を目指し最後の力を振り絞る。丘の最後の坂を登り切れば大きな感動が待ち構える。 ゲートをくぐる全ての選手に温かい拍手が贈られた。これがランニングレースにとりつかれた人、頑張った人のみが体験できる“Mの魔力”。気迫の走りを見せたトップ陣から、トレイルラン二ングレース初参加のジョガーに至るまで、それぞれがレースを満喫したに違いない。

次々と歓喜のGoooooal!!

「さあ、反省会を始めます。皆さん『ほうとう』食べ終わりましたか」
「さあ、反省会を始めます。皆さん『ほうとう』食べ終わりましたか」
見えた~。あの丘が確かゴールエリア
見えた~。あの丘が確かゴールエリア
協賛メーカー『モントレイル』の2010ニューモデルもラインナップ
協賛メーカー『モントレイル』の2010ニューモデルもラインナップ
絶え間ない記念撮影にも笑顔で応える石川プロ
絶え間ない記念撮影にも笑顔で応える石川プロ

全長30km、標高差400mではあるが、10数回を数える大小のアップ&ダウン。落ち葉は足に優しいが、上位選手の多くが「走れるコース」と言うように、ランニング力を競う意外とタフなコース。しかし、完走率は99%(男子は100%)。これは驚きの数字で、しかも最終ランナーですら制限時間7時間を1時間近く上回る余裕の6時間4分で完走。そうか、ここは箱根駅伝の強豪、あのYG大学のお膝元…。地元参加者に話を聞けば、まんざら相関がなくもないほど市民ランナーが多い。山梨はレベルが高い!?

首都圏からすぐ、温泉がある、素晴らしい眺めがある、いいトレイルがある。そう、甲府は通り過ぎるところではなく、出かけるところ。一年の計となるグッドレースは、武田の杜で幕を閉じた。

大会リザルトはこちら
358KB
今回は参加者の「楽しんでるよ!!」お届けします
今回は参加者の「楽しんでるよ!!」お届けします
レースDATA
dot_bule開催日

2009年12月12(土)・13日(日)

dot_bule距離・クラス

30km

dot_buleトレイル率

98%

dot_bule高低差(最高地点-最低地点)

420m(770-350m)

dot_bule参加数

235名

dot_bule完走率

99%(232名)

dot_buleコースレコード(男/女)

青木光洋 2:18:35/ 丸山知子 3:18:43

dot_bule主催

甲府市観光協会、湯村温泉旅館協同組合、山梨県林業公社

dot_bule大会HP

http://www.takedanomori.jp

ランナーズVoice

  • 青木光洋選手

    青木光洋選手(男子優勝)

    記録 2時間18分35秒
    地元山梨県・北富士駐屯地所属の自衛官。
    「とりあえず楽しむことを第一に走りました。周りの選手が強い方ばかりなので、その中で自分の力を出せたことに満足しています」

  • 加藤淳一選手

    加藤淳一選手(男子2位)

    記録 2時間20分43秒
    3位村井選手に2秒の僅差で勝利。
    「上位は知り合いばかり。お互い手の内を知り尽くしているので逆にきつかった。ゴール手前の最後の登りで勝負するしかないと考えていました。このレースは歩くポイントのないスピードレースなのでロードに強い選手がやはり有利かと」

  • 村井 涼選手

    村井 涼選手(男子3位)

    記録 2時間20分45秒
    2週間前に河口湖マラソンで2時間32分(PB)を出して臨んだ今大会。
    「先週は県の一周マラソンにも参加したので、正直きつかったです。特に後半のエイドから白山への登りが応えました。3年前に同僚の青木(男子優勝)に誘われて始めました。トレイルラン楽しいです」

  • 黒岩玲生選手

    黒岩玲生選手(男子4位)

    記録 2時間20分59秒
    大学時代は地元山梨学院大学陸上部中長チームに所属していた黒岩さん。
    「実家は信州ですが山梨は第2の故郷。大学時代は練習でこのコースにも来ていたので走り勝たないと勝てないと分かっていた。途中でウエストベルトが壊れて3回ストップしてしまった。でも山梨のトップチームに追いつけてよかったです」

  • 小川壮太選手

    小川壮太選手(男子5位)

    記録 2時間21分05秒
    中盤までトップをキープ。甲府にあるアウトドア・プロショップ『ELK』のチームランナーとして参加。ロードレースでは地元の強豪。
    「石川さんが設計したコースが地元に出来たことは誇りですね。このコースは眺望もよくラン二ングもしやすくとてもいいコースですね。後半、下りでこけてしまったこともあり、走力のある選手に逆転されてしまいました。また来年頑張りたいと思います」

  • 山本健一選手

    山本健一選手(男子8位)

    記録 2時間31分51秒
    今回「招待選手」としてレースに参加。08年度ハセツネ・チャンプ、そして09年のツールド・モンブランに初参加で8位、地元山梨のヒーロー“ヤマケン”。
    「もちろん一生懸命、楽しんで走りました(笑)。トップグループは皆、地元で名の知れた強豪ですから手強いですよ。この武田の杜は韮崎工業高校(山本氏は同校教員にして山岳部顧問)のトレーニングでも訪れるところ。いいところでしょ」

  • 丸山知子選手

    丸山知子選手(女子優勝)

    記録 3時間18分43秒
    名古屋で大学生だった時、故郷の山梨県代表として国体山岳競技のメンバーに選ばれた丸山さん。ハセツネ女子4位のキャリアもある実力者。
    「山梨市から来ました。国体はだいぶ昔のことですが(笑)、その時のチームの高校の部に山本健一くん(『ウルトラ・トレイル・デュ・モンブラン』2009年総合8位)がいました。彼が高校の後輩だなんて光栄です。今回はよく利用している地元ショップ『ELK』の方と試走もする機会があってうまく走れたと思います」

  • 小林正美選手

    小林正美選手(女子2位)

    記録 3時間19分18秒
    4年前に山梨に来てラン二ングを始めた小林さん。自宅が山学のすぐ近くで、ランニングコースでよく出会う陸上部のメンバーともお友達。
    「トレイルランニングは今回が初めて。ロードのお友達と8人で参加しました。山と自然が大好きなのできつかったけど楽しかった。特に下りがおもしろかったです。普段はロードレースが主で、2月の東京マラソン出場がいまから楽しみです」

コースマップ

コースマップ

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